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不明なればこそ面白き珍妙の綿毛

「冬来りなば春遠からじ」 イギリスの詩人パーシー・シェリーによる一編です。 つらい時期を耐え抜けば、必ず穏やかな幸福の日が訪れる意味で用いられますが、意訳をもってせずともそのまま春を待ち望む気持ちにも充てられますね。 大

心に輝き 芋掘り藤五郎伝承(前)- 石川県

本年は、まさかに年明け早々甚大な自然災害や重大事故が相次ぎ、気持ちの重いスタートとなってしまいました。 特に大規模地震に見舞われた石川県は北部を中心に未曾有の被害を受け、あまつさえ9月に発生した奥能登豪雨で重ねて大きな打

錦秋の繁栄祈願 豊川稲荷の鎮座祭 – 愛知県

11月になり日中はそれなりの気温になるものの、ようやく秋の気配も深まってまいりました。 愛知県豊川市の「豊川稲荷」で11月16日(土)~17日(日)に秋の大祭(鎮座祭)が執り行われます。 日本三大稲荷のひとつともされ、地

どろぼう橋伝承から見る江戸期の面影(後)

前回より重ねて川越大師 喜多院 に残る伝承から 「どろぼう橋」を渡って寺の敷地に逃げ込んだ盗賊は追手の捕り方からは逃れたものの、それでも境内の寺男たちに取り押さえられました。 しかし、寺側は罪にまみれた男を奉行所に引き渡

どろぼう橋伝承から見る江戸期の面影(前)

埼玉県川越市の中央、人口の密集した地にありながら、そこはかとなく懐かしい情緒を漂わせる町並みに囲まれて一画の杜に佇むのが『星野山 喜多院』。別名『川越大師』です。 「 昔、この橋は、一本の丸木橋であったといわれ、これは、

祖霊と共に生きる国 三つの正月そしてシーミー – 沖縄県

沖縄には三つの正月があると言われます。 現在 一般的に馴染みの深い西暦 / 新暦による1月1日の正月、 今でも中国や東南アジア諸国などでは馴染み深い旧暦1月1日(2024年2月10日)、 そして「ジュウルクニチ」、旧暦1