いよいよ この26日午後7時30分(現地時間・日本時間27日土曜日 2時30分)フランス・セーヌ川近郊で「2024年パリオリンピック」が開かれます。今回も様々なアスリートたちの競演に期待したいところですね。
さて、少々気の早い話ですが、パリオリンピックのさらに一回先、2028年に開催が予定されているロスアンゼルスオリンピックに “クリケット” が追加競技として採用されることとなったそうです(他に野球・ソフトボール、ラクロス、スカッシュ、フラッグフットボールなど)。 クリケットがオリンピック競技として行われるのは1900年開催時から実に128年ぶりだそうで、世界中のクリケットファンから注目を集めています。(因みに1900年大会は近代化オリンピックの足掛かりとなった第2回大会でありパリ開催でした)
世界で3億人、あらゆるスポーツで第2位の競技人口をもつとされる “クリケット” が 128年もの間オリンピック競技として採用されてこなかったことも不思議ですが、その一因として、競技人口の多さの割に嗜好地が多少偏っていること(イギリスをはじめとしたヨーロッパ圏からインド周辺)、試合時間が長いことなどが挙げられます。
近年、世界的なクリケット人気の高まりに加えて、時間も含めた公式試合の内容なども整備が進んだことでオリンピック採用の運びとなったようで、今後ともクリケット競技への認知もさらに上がっていきのではないでしょうか・・。
『 本会は、日本クリケット界を統括し代表する唯一の団体として、クリケット及びその精神を通じて、健やかで豊かな社会や文化の創造に寄与し、人々をつなぐ架け橋となることを目的とする 』
栃木県佐野市に本拠を置く JCA(一社)日本クリケット協会 のミッション として掲げられた文言です。
投手がボールを投げ打者がそれを打つ、一見、野球にも似た競技ですが 投手が助走をつけて投げたり、打球の飛距離や飛び方によって得点が変わったり、守備側も打者の後方にある”ウイケット” と呼ばれる棒を当てて倒すことでアウトを取るという攻撃的要素があったりと、野球とは内容にかなり差がありますね。
日本においては かなりマイナーなスポーツして知られますが、クリケットは元々紳士淑女の社交的側面を持つ勇壮かつフレンドリーなスポーツでした。時に一試合につき数日を掛けて開かれ、その合間々々にはティーブレイクを挟むなど、勝敗以上に参加者の交流とスポーツすることそのものを楽しむ競技でもあったのです。大会や世界の頂点を目指すスーパープレイヤーたちならともかく、一般の人々のプレイとして捉えるなら これから日本の国で取り入れていくのも面白いのではないでしょうか?
クリケットはイギリス発祥のスポーツとされており一説には野球の原型とも言われていますが(諸説あり)、基本的に打撃優勢で進み10アウト交代かつアウトが取りにくい形態で進むため1試合に時間がかかり短いものでも数時間、伝統的なルールに従った試合では途中で休憩を挟みながら5日間にも渡って繰り広げられます。(近年の国際ルールでは3時間程度 T20交代制)
ティータイムを挟みながら時間をかけて試合を進める様は”紳士のスポーツ” とも言われる反面、捕手以外の守備者は素手であったり、”デッドボール” の判定が無いため打者は防具フル装備であったりと中々にエキサイティングなスポーツでもあります。
アメリカとの交流から日本に野球が広まったのと同じように、クリケットもイギリスの世界進出に伴いその影響下の国々を軸に広まっていったので、本国以外、主にオーストラリア、インド、そしてアフリカ南部諸国などを中心に競技人口が増え、特にインドでは国民的スポーツともされ世界最高峰と名高いインディアン・プレミアリーグも生まれました。
野球を見慣れた日本人からは そのルールの違いやプレイスタイルに一見戸惑ってしまい、敬遠の理由になってしまいがちですが、ルールそのものはさほど難しいものではなく 一度覚えてしまえば見て楽しむことも、また、プレイして楽しむことも充分に可能です。
栃木県佐野市がこのクリケットを市の関連事業のひとつとして取り入れたのは ”市民が慣れ親しみやすく健康増進に供する新しいスポーツ” であったこととともに、日本国内における外国人人口の増加に対して 世界的スポーツともいえるクリケットをプレイ出来る施設が国内に未整備であったことに着目、県市共々 活性化事業として取り組んできたのです。
市内に「佐野市国際クリケット場」を建設、国内各自治体のクリケット協会やクラブとの連携・総括をなす一般社団法人 日本クリケット協会を設立、「クリケットのまち佐野」とのキャッチフレーズの元、日本のクリケット中心地として活動を続けてきました。
国内におけるクリケットの認知度、人気ともにまだまだ発展途上ではありますが、佐野市にクリケットの協会や施設があることは既に多くの外国人やクリケットに興味を持つ人々の知るところとなり、協会や関係者の努力の結果、国内における競技人口も確実に増えつつあるようです。 元プロ野球選手の木村昇吾さん(元広島)や山本武白志さん(元DeNA)らがクリケット選手に転向されたことでも話題になりました。 また本年2月香港で行われた東アジアカップの試合では、男子日本代表の2選手が258点もの打撃得点を打ち取りギネス記録にも認定されました。 さらに女子のクリケットリーグも活気づいています。
実際、見てみると野球とはまた違ったテンションで繰り広げられるエキサイティングかつ新鮮な感覚のスポーツ「クリケット」 ぜひ一度、貴方もその目でご覧になって下さい。 結構ヤミツキになるかもしれませんよ?
場 所 : 〒327-0026 栃木県佐野市金屋仲町2472
TEL 050-3766-4483(本部事務局)0283-85-7815(佐野事務所)
FAX 0283-85-7815
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