燃ゆる躑躅に憩いて時を学ぶ – 群馬県

菜の花、桜、藤、そしてレンゲソウ、穏やかな春の訪れとともに心華やぐ花のシーズンの到来です。

一年のうちで最も過ごしやすい季節であり、年度の変わり目ということもあって清々しい機運に溢れた時期でもありますね。反面新しい生活や仕事に合わせるため慌ただしい日々をお過ごしの方も多いかもしれませんが・・・。

確かに新年度は何かと気忙しい用事も多く、また うららかな気候に反して季節の変わり目の影響か体調を崩しやすいときでもあります。

 

“五月病” などという言葉を聞くようになって久しいような気がしますが、改めて調べてみると初出は1961年(アメリカ精神医学会報告)。 日本では60年代終盤から70年辺りに流行語のごとく知られるようになったそうで、思う以上に歴史があるようですね。

おいても “五月病” というのは日本だけの呼称です。それは日本では4月に年度替わりを迎えるからであり、その結果として5月の連休明け辺りから顕著となり呼称の由来ともなっています。

欧米では学業は9月、会計や業務は1月の年度替わりが多く、それらの季節に同様の現象をみるそうです。

古くは学生や新卒社会人によく見られる症状といわれていましたが、現在では中高年層でも少なくないようで・・。

凡そ生真面目な人、几帳面な人ほどかかりやすいらしいので、忙しさにとらわれ過ぎることなく、体調管理そして “必要以上に考え過ぎない” スタンスで、五月病を回避していただければと思います。

長閑な公園、彩る花に囲まれながら癒しのひとときを探しに出掛けてみませんか・・。

 

4月の後半から人々の目を和ませる花が “ツツジ” 。
字が難しいですが “躑躅” とも書きますね。

躑躅は “てきちょく” とも読み、元来の漢字(中国) の意味 “足を止める / 行きつ戻りつ” から “足を止めて見惚れるほど美しい” という説。 さらにそれと相反するがごとく、ツツジの持つ毒性を指したものという説もあります。

“躑躅燃ゆ” とまで謳われ、見る者を陶酔させる美しさと、ときに命に関わる厳しささえ併せ持つ花。 それがツツジなのです。

群馬県館林市『つつじが岡公園』でこの8日(水) から5月6日(水) まで『令和8年 つつじまつり』が開かれます。


約100品種、約1万株のツツジが咲き誇る様は壮観の眺め。
剪定された植え込みのツツジもきれいなものですが、ここ『つつじが岡公園』のツツジは見上げるほどに立派に育った野趣溢れる美しさ。

中でも推定樹齢800年を誇る「勾当内侍遺愛(こうとうないしいあい)のツツジ」の古木は、最早これがツツジかと思えるほどの威風堂々の巨木。一見の価値有々です。

“勾当内侍(こうとうのないし)” とは南北朝時代に存在したとされる女官で(こうとうのないし はおそらく官名)、かの新田義貞に嫁いだとされる女性。彼女を慈しんだ義貞によって植えられ後の時代に移植されたとも伝わります。

 

新田義貞の時代からときは下り、戦国時代にあって上野国(群馬県) は戦国のメインストリームの中ではやや影が薄いように見えますが、その地理的要因から上杉、北条、武田氏らによる勢力圏争いの要所でもありました。

関東と信州・越後を画する地勢は武田氏を下した後の織田信長にとっても東国を抑えるための要衝であり、重臣 滝川一益を配したほど重要な拠点だったのです。

沼田城(沼田市/上野国利根郡)、真田氏(真田昌幸、信之ら)にとっての本拠であり、徳川・北条氏らと激戦を繰り返したのも言うに及ばぬところでしょうか。

今はその面影が僅かに残るばかりですが “館林城” があったのも、この『つつじが岡公園』の目と鼻の先の場所です。公園の前に静かに広がる “城沼” は かつて城の濠として機能していたそうです。

例年7月中旬に開催される「館林まつり」、甘楽郡甘楽町「城下町小幡さくら祭り」(4月)、隔年開催の前橋市「総社秋元公歴史まつり」などで軒並み “武者行列” が披露されるのも、そういった激動の歴史を持つ群馬県ならでは由来と言えましょうか・・。

 

話をツツジに戻して『つつじが岡公園』を埋め尽くすツツジは上でも述べましたように、端正な花壇というより壮麗な自然の美の趣きです。

真紅の花を咲かせる希少種 “江戸キリシマ” の古木群は、見た目の華やかさにとどまらず栽培学上も貴重な品種。

そして樹齢800年を越すと伝わるヤマツツジの巨樹群。そこに息づく時の流れは最早私たちの概念を超えるものと言って良いでしょう。 800年前、日本は鎌倉時代であり海の彼方の帝国ではチンギス・ハーンが生きていた時代なのです。

その前に立ち その息吹を受け止めるだけでも、この世の小忙しさ、生きる身の杞憂に気付かされるかもしれません。

ひとときの癒しの時間と古木との触れ合いが、この先長い貴方の人生のセーブポイント&ラッキーポイントとなりますように・・。

『つつじが岡公園』公式サイト
・群馬県館林市花山町3278

「令和8年 つつじまつり」当該ページ
・2026年4月8日(水)~5月6日(振休) 8:00〜17:00
・入園料金などご注意ください。

Amazon:『あなたの知らない群馬県の歴史』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください