本日は三重県中部にある山間の里から春も盛りの景勝を二つお送りしたいと思います。
先ずの一つ目は遅ればせながらも春の便りといえばやはり “桜”。三重県中央部の西端、奈良県との県境にも接する美杉町三多気(みすぎちょうみたけ)から。
奈良県の宇多郡に隣接するほど内陸の場所ですが、伊勢湾に臨む津市の一部でもあります。2005年までは美杉村でもありました。
山間の中の山間と思えるほど奥深い土地であり、人知れず静かに息づく里のはずですが、ここで知られる稀有の景観が “三多気の桜”。国の名勝、さくら百選にも指定されるほど美しい春の彩りを見せてくれる名所なのです。
国の花とまでいわれる “桜の花”、個人の好みはともかく多くの国民に愛され続け、特に春の風情に欠かせない象徴であることは今さらいうまでもないでしょう。
それは桜の見せる華やかさ・清々しさが日本人の気風に合っていることもさりながら、日本の風土にこれ以上ないほど美しく自然に溶け込み映えていることにもあるのだと思います。
“三多気の桜” は まさに日本的、それも昔話に通じる懐古の情緒に包まれた日本の原風景に色添える美しさといえるのではないでしょうか。
春きらめく河原の桜並木、平和を称える公園の桜の眺めも身近で良いものですが、ここまで郷愁に寄り添った桜咲く里の情景は、日本人の心から薄れつつある大切なものを思い出させてくれるような気がします・・。
今年の冬は総体に暖かかったこともあり各地の桜の見頃も既に盛りとなっていますが、三多気の気候は比較的低く、また土地の高低差の影響で4月のはじめから中旬過ぎまで長く楽しめるそうです。
長閑な山間の里、棚田の水に映り込んだ山桜の妙趣、是非一度ご体験ください。 4月の行楽期には伊勢奥津駅より臨時バスも運行されるそうです(有料)。
ご案内した美杉町三多気から県道を西に12km程移動した所にあるのが、飯南町下仁柿(いいなんちょう しもにがき)です。 こちらは津市のお隣 松阪市の所属となります。
三多気と同じく山間の里ながら こちらのチャームポイントは山と田園に囲まれ流れる渓谷の美にあるでしょうか。
名を “香肌峡(かはだきょう)”。 飯南町、飯高町を流れる櫛田川40km程の区間を特に言い表し、地元の誇り高き水源として愛されてきました。 近年では自然に親しむキャンプやハイキング、サイクリングなどでも好適な場所として注目を集めています。
香肌とは産出される茶や鮎など香り高い名産品と、きめ細やかな自然の美しさを織り込んで名付けられたものと伝わります。
四季折々に触れて魅せる景色(桜、新緑、紅葉、霧氷)や、抜群の水質を誇る川でのアクティビティが人気の当地ですが、江戸時代には大和国(奈良)を挟んで紀州(和歌山)と伊勢(三重)を結ぶ交易街道の要所として栄えていた歴史もあります。
現在の佇まいからは想いも寄りませんが、昔日の面影を川の流れに探しながらの散策のひとときを過ごしてみるのもまた一興かもしれません・・。
上の写真に写っている赤い吊り橋の傍らには、お洒落なロッジ風の外観をまとった「道の駅 茶倉駅」もあり旅中のひと心地をつくのにぴったりです。
さらに(松阪市・伊勢方面に対して逆方向になりますが)166号線を8km程 東進したところには「道の駅 飯高駅」もあります。 こちらは日帰りの天然温泉施設もあり(営業日要確認)静かな自然の中でのセーブポイントになるでしょう。
この飯南町下仁柿に行かれる、または通られることがあれば探してみてほしいのが “稲わらの巨大なオブジェ”。
地域の活性化のため地元の住民 “仁柿住民自治協議会” が協力して10年前から始められ、今年で10回目のお披露目となります。
平成28年の制作モデル “猪” にはじまり、以後 “フクロウ” “昇龍” “招き猫” “アマビエ” “布袋” “狸” “カエル” “鳳凰” と続き、今年は松阪市の市制20周年を記念して・・。“ちゃちゃも” になりました!。
“ちゃちゃも”? 松阪市のマスコットキャラクター、いわゆる “ゆるキャラ” のひとつですね。
稲わらでの再現度は非常に高く愛らしいものですが、色までは分からないのでオリジナルを検索してみたら、頭部を目安に体が牛(松阪牛から)全体の色調がグリーン(松阪茶から)をモチーフにした可愛らしいキャラクターでした。 因みに女の子だそうです。
10メートルを凌駕する “巨大ちゃちゃも” は、凡そちっちゃくはありませんが貴方を笑顔で迎えてくれるはずです。 三多気の桜巡りのついでに会いに行ってみませんか・・?
『香肌峡』松阪市 巨大ちゃちゃも-5月中旬まで







