鳥取と聞いて思い浮かぶ代表的なものと言えばやはり “鳥取砂丘” でしょうか?
南北2.4km、東西16km、高低差最大90m、東京ドームにすると何と117個分という広大な砂地です。 日本屈指の砂丘として吹上浜(鹿児島県)、中田島砂丘(静岡県)、庄内砂丘(山形県)を越えて筆頭の規模・知名度を誇っていますね。
実のところ砂地面積としては青森県の猿ヶ森砂丘の方が上回るともされていますが、こちらはその大半が自衛隊の管理地域(弾道試験場)であり立ち入り禁止区域となっているため、一般的な認知度No.1はやはり鳥取砂丘ということになります。
そもそも砂丘とは どうやって形作られるのでしょう? 単に “大きな砂浜” とは違うのでしょうか?
かいつまんで言うと砂丘は風で運ばれた砂が堆積したもの。対して波の力で作られたものは “岸堤” とされるのだそうです。 因みに “砂漠” は一年をとおしての降水量が250mm以下、もしくは降雨量を蒸発量が上回るような極乾燥地で砂岩主体の場所をいうのだとか。
鳥取砂丘の場合、中国山地の花崗岩が風化して砕けたものが雨水とともに川を下り海へと流れ込みます。
一旦 海へ出た砂粒ですが比重の軽いものは波によって海岸へと打ち寄せられ堆積。そして日本海側からの強風に乗って内陸側に吹き積もったものが砂丘となりました。
この期間、実に10万年。天→地→海→天と続く水の循環のごとく、地殻から山となり海を旅して地に還る砂の旅路のようですね。
今日でこそ年間200万人の観光客を迎える国立公園、特別保護地区として鳥取県の資産となった鳥取砂丘ですが、往古にあっては畑地にさえ利用できない不毛の地でありました。人家の少ないこともあって戦中までは軍の演習としても利用されていたほどです。
その後 昭和30年代辺りから、その特異な地勢や詩情豊かな自然の景観が見直され、保全活動を推し進めるとともに本格的な観光地化が図られました。 多くの文化人による称賛とともに その魅力が全国へと広がり、比類なき名勝へと生まれ変わったのです・・。
風によって描かれる風紋やラクダが闊歩するその風景は、日本とは思えない異国情緒さえ感じさせるもの。 今日では日本海に面した広大な敷地を利用したパラグライダーやサンドボードなどのスポーツも盛んです。
砂丘の南側、県道を挟んだ内陸部には多鯰ヶ池(たねがいけ)があります。周囲3.4km、最深深度15mと そこそこの規模のある池ですが、流入・流出のない堰止湖(堰き止め湖)であることから古い時代には小規模な農業水源程度の利用価値しかありませんでした。
しかし、多鯰の名の元ともなった “お種伝承” そして “多鯰ヶ池弁天宮(お種弁財天)” を見るように、この池は古くより地域の信仰にも結びついてきました。
近年では、その特徴的な生態系の保護や水質改善のため一定量の水循環が進められており、整備が進めば鳥取砂丘と併せての公園化も視野に入るのではないでしょうか・・。
同地にあって砂丘の美と神秘を伝える施設が『鳥取砂丘 砂の美術館』です。 こちらもまた年間40万人に届く来館者数を誇ります。
砂丘地区ならではの砂を使ったオブジェの展示 “サンドアート” で知られますが、その造形の凄さは見た者のみ感じることのできる完成度、ときに荘厳とさえ思える存在感を感じさせてくれます。
年間を通じて多様なプログラムを組み、世界に知られた建造物や景勝を砂で再現していますが、まさに本年のプログラムの主軸は「砂で世界旅行」。当月12月は “日本編” 年明け1月4日(日)までの開催となっています。(開催期間中、年末年始は基本無休)
まるでコンクリートのような練り物で作られたごとく整然とした佇まいですが、造作に用いるのは “砂と水” のみだそう。ちょっと驚き。 製作中は常に崩壊のリスクとの戦いだそうですから職人さんの苦労が偲ばれますね。
ホームページにはバケツを使って進めるミニサンドアートの作り方が載っていますので、興味を持たれた方は一度チャレンジされてみては・・?
2006年の初回開催からしばらくの間は野外特設テントなどで行われていたようですが、2012年以降大型の館内展示となって久しいようです。 現在は館内バリアフリーも整えられ移動に支障のある方でも入館・閲覧可能です。
普段 滅多に目にする事がない、それも大規模な砂の彫像群は一見の価値有り、日本国内はおろか世界的にも数少ない砂の美術館、鳥取に寄られた時はぜひ訪問されてみては如何でしょうか?
『鳥取砂丘 砂の美術館』公式サイト
場 所:鳥取県 鳥取市 福部町 湯山 2083-17
開館時間:9:00~18:00(最終入館17:30)
※ 2025年10月16日(木)より、サブゲート(展望駐車場側)の平日の利用時間を変更いたします。何卒ご了承ください。
月曜~金曜 10:00~15:00
土曜日・日曜日・祝日 9:00~16:00
※イベント開催期間等は変更となる場合があります。
入 館 料 :一般 800円(団体 600円)/ 小中高校生 400円(団体 300円)
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