クール&ホットな大子来人の夜 – 茨城県

季節の移ろいは早いもので、あれだけ水分補給を促された猛暑も過ぎた日の話・・。ちょうど良い気温かなと思った期間はほんの1〜2週間位だったでしょうか。

2日ほど前にはTシャツ姿だったものが、いきなりブルゾンを羽織るはめになったとニュースに流れ、今はもう秋の最中、紅葉さえ見送れば木枯らし舞う冬も間近です。

歳を取れば取るほど時間の流れは早く感じるものですが、今に感じる1年は若い頃の3〜4ヶ月位の感覚に思えてしまいますね・・。

 

「シガ」というものをご存知でしょうか?

自然現象のひとつ、川面に現れ流れる “川の流氷” のことを言います。河氷(かひょう)の一種です。

北海道十勝川河口で氷結流出し大津海岸に打ち上げられるジュエリーアイスなどが河氷として知られますが、それとはまた異なるシャーベット状から小型の氷塊として表出するもの。

シガ 画像©Wikipedia/Σ64

日本で唯一、そして世界的にみても稀有な低緯度地域におけるシガの発生地として知られるのが茨城県の大子町(だいごまち)です。

茨城県の北端、福島県矢祭町と県境を挟み流れる久慈川は周囲を山で囲まれながら、盆地である大子町を通ります。 山間地でありながら年間を通して晴天の日が多いため、特に冬季の朝晩の冷え込みは厳しいものとなり、1月の平均最低気温は−5℃に至るそうです。

流氷というと川面の表面の水が凍るように思えますが、このシガの形成過程には まだ未解明な部分も多いようで、川底の冷たい石の周りに氷結したものが浮いてくるという説、水面近くの熱境界層で生成されるというものなど諸説あるようです。

どちらにしても氷点前後の寒冷な環境、内陸部にありながら特徴的な気候ゆえの現象といったところでしょうか。

 

久慈川の支流、滝川の一角には大子町の名勝であり宝でもある “袋田の滝” があります。

幅73m、流長120m、別名 “四度の滝” と呼ばれる形状は落差の途中で四段の階段状で成り立ち、その特異かつ流麗な姿から日本三大名瀑のひとつにも数えられています。

さらに別説として鎌倉時代の高僧 西行法師がこの滝を見られて、 “この滝は四季の彩りに合わせて、四度訪れ真美を見る” と言われたことが因とも・・。

いずれの説にせよ、そう思わせるほどの秀美をまとっていることの証左でしょう。

 

冬場に冷え込む地であることから、この袋田の滝も凍り付くことがあります。 氷瀑現象というものだそうで、ある意味、動と静の両面を内包した幻想的な光景ともいえるでしょう。(もっとも近年の温暖化の影響か、完全に凍らないことも多いらしいですが・・)

対面に設けられた2基の “観瀑台(展望台)” からその景観を満喫することが可能です。(有料)(滝の最上段を見るためには、エレベーター装備の第2観瀑台から)

この観瀑台に行くには事前にある “袋田の滝トンネル(長さ276m)” を徒歩で通り抜けて行くことになるのですが、大子町では袋田の滝のライトアップと、このトンネル内の光の演出を合わせて、夜の袋田を楽しむイベント『大子来人~ダイゴライト~』が開催されています。

秋から冬へと移り変わるイメージを色とりどりの輝き、時にプロジェクトマッピングを用いて幽玄の世界を創出。

光溢れる回廊の楽しさと、照らし出される雄大な滝の対比の中でファンタジーな一夜を過ごされるのは如何でしょうか。

開催期間は2025年11月1日(土)~2026年1月12日(月)まで、ライトアップ時間は日没から20時(12月1月は19時) まで。 ・・となっていることから “氷瀑” を見ることは稀かもしれませんが、時期的・気候的に寒かろうことは容易に予想されます。 暖かい服装でお出かけください。

当地の冬季気候から本日は “冷たい・寒い” 話が主となりましたが、大子町・奥久慈地域には “大子温泉” “袋田温泉” “月居温泉” などの温泉郷も豊富に揃っています。

クールな行楽とホットな安堵のひとときの組み合わせは、味わい深い晩秋の思い出になるでしょう・・。

最後に付け足しのようで恐縮ですが、大子町から少し離れて、海岸沿いに位置する茨城県日立市のホームページに、大子町にまつわる面白い民話を見つけました。 引用・ご紹介しておきます。

「越前へひとっ飛び」

昔、越前国(現在の福井県)から大子の山に仕事にきていた漆掻き(漆の汁を集める仕事)の若者は、長いこと故郷に帰れず、年老いた両親のことが気がかりでならなかった。

ある日、髭を生やした鼻の高い老人が現れ、「私の背中につかまりなさい。ただし絶対に目をあけてはならない」と言った。

老人の言う通りにした若者は、身体がフワッと浮いたような気がした後ドスンと地面に投げ出され、約400キロ離れたわが家に着いていた。

(引用:日立市プロモーションサイト)
(出典:茨城の民話Webアーカイブ)

『大子来人〜ダイゴライト〜 袋田の滝ライトアップ』(一社)大子町観光協会

Amazon:『滝の絶景: いつかは行ってみたい日本の美しい風景』

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