二千年の古代遺跡でうららかの時 – 奈良県

先日来、過去記事からの再ポストが続いております。誠に申し訳ありませんが今しばらくの間お許しを願いしたく、何卒ご甘受のほどお願い申し上げます。

併営しておりました「昭和テロップ」の方が閉鎖の止むなきに至りまして、その対応と後始末に追われていましたことなど 些か塞ぎ込んでいましたが、いつまで沈んでいても仕方ないので、心機一転、以前から考えていた新サイト構築のために動き出そうかと考えています。

新たな花の季節の到来に、新たなことを始めてみようとあれこれ画策中の今日この頃です・・。

 

とまぁ 愚痴はここまで、新たな花の季節、この記事が載る頃にはおよそ桜の蕾もほころび始める時期でしょうか。 開花予想を見てみると近畿地方で3月23日前後(東京も同じく)、東北地方で4月の上旬から中旬となっており例年より3日ほど早い予想・・。

只、少し前に聞いた話では、今年は暖冬であったため気温の低い時期が少なく、却って開花が遅れるかもしれない・・とも言っていました。

実際にどちらになるかは分かりませんが、日本人にとって あの満開に咲き乱れる美しい風景は替え難きもの。 災害や事故など 今年は年頭から色々と辛いことも続いたので、こちらも心機一転春の訪れを華やかに告げてほしいものですね。願わくば皆が好天に恵まれますように・・。

 

奈良県の北部、磯城郡(しきぐん)田原本町にある古代遺跡にも桜の季節が到来します。

『唐子・鍵遺跡(からこ・かぎいせき)』 国内屈指の大規模環濠集落遺跡。唐子・鍵 とも当地の地名から採られていますが、唐子は往古における大陸からの渡来人やその文化が、この地に大きく関わっていることを指し、鍵はこの地が古くから交通や物流の要衝であったことを表わしているともいわれるそうで・・。

閑静な田園地帯、目前を走る国道24号線から見ると変哲のない運動公園が広がっているようにも見えます。 整備・整地されている区画はおよそ300m×300mの90,000㎡、敷地の5分の1程の面積を占める “唐子池” が北側の農道に面しています。

見通しの良い平野部、一見するとそれだけの広場にさえ見えてしまいますが、この遺跡は1700年から2500年もの昔 弥生時代に連なる大集落遺跡の一部であり、その全容は現在知られているだけでも整備区域の3倍以上、集落全体を考えればさらにその数倍とも・・。

日本に本格的な農耕社会が根付き始め、彼の地においては “卑弥呼” が活躍した頃。国の礎の萌芽ともいえる時代に生きた人々の、面影を偲ぶ春の旅に出られては如何でしょうか・・。

今もなお不明な部分・謎を多く残す弥生時代文化ですが、『唐子・鍵遺跡』には当時の大型建造物の遺構や、現在なら工房ともいえる土器や青銅器の窯元跡が残り、2千年前の文化や暮らしを彷彿とさせてくれます。

また、絵画土器ともいわれる当時の風景を描いた出土品は極めて貴重なレコーディングデータでもあり、考古学と古代歴史考察に与える影響は計り知れないものがあるでしょう。

『唐子・鍵遺跡』のシンボルともいえる高床式二重建造物「復元楼閣」も、そうした絵画土器に描かれていた図形をもとに復元されたもので、頭頂高12.5m、茅葺屋根、網代や板壁を用いた構造で、一階層から支える立脚は直径50cmのヒバ材で賄われているのだとか・・。

最も目を引くのが 一・二階の屋根部分及び回廊から伸びた渦巻き状の飾りでしょうか・・。これが何のために施されたのか、宗教的な祈念の意味合いでもあったのか、明確な理由は何も分かっていませんが、現代的なセンスからは大きく距離を置くこのデザインには、平安や奈良時代はおろか古墳時代さえ凌ぐ古代へのロマンが詰まっているように感じられてなりません。

さらに、二階回廊 欄干部分には東西側に小さな鳥の像が据え付けられていますが、これは絵画に描かれていた逆S状の図形を渡り鳥と解釈し創造されたものを添えたのだそうで、古代のデザイナーと現代の研究者のコラボレーションといえるのかもしれませんね・・。

 

「復元楼閣」は上でも触れました “唐子池” の畔に建っています(西南隅)。これは昭和初期の発掘調査で当該場所の遺構が残っていないことから決められたものですが・・、穏やかな日向に見る、また感傷的な夕景に見る “復元楼閣と唐子池” の佇まいは、ちょっと他では出会えない妙趣に満ちたひとときとなるのではないでしょうか・・?

そこまで大規模なものではありませんが、この “唐子池の周囲” をぐるっと一周取り囲むように桜の木が植えられており、春には地元の人をはじめ見物客が多く集まります。3月26日(火)~2024年4月4日(木)(2024年)には「さくらまつり」の開催も予定されています。

“花見” ともなれば “晴天” が期待されますが、こんな2千年の古代ロマンにつながりそうな夢想のお花見、”春霞” まで所望したい気分になりそうですw。

国道の斜向かいには『道の駅 レスティ唐古・鍵』もあります。”絶対食べてみて!” の呼び声高い「贅沢いちごパフェ極」(数量限定)をはじめとしたスイーツやメニューでも知られた道の駅だそうで・・。穏やかな春の到来、新しい年度の始まりに、二千年の古代遺跡+花見&さくらまつり+そして特別ないちごパフェ・・。如何でしょう?こんな取り合わせは・・?

『唐子・鍵遺跡 史跡公園』 公式サイト

『さくらまつり』 当該ページ

『道の駅 レスティ唐古・鍵』 公式サイト

Amazon:『知られざる弥生ライフ: え? 弥生土器なのに縄文がついたものがあるって本当ですか!?』

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