寒風に映える焔の潔斎 長瀞の火祭り – 埼玉県

「お年玉付アンケートキャンペーン」は本日23日一杯が集計締切りとなっています。振るってご参加ください。

“大寒” に入りました。一年を通して最も寒い時期とされていますね。
只、実質的には “今が最も” というより、これからが寒さの本番といったところ。 10日余り先には “立春” が控えているものの、これより暫くふた月ほどは厳しい寒さが続きます。

寒さに弱い私などは、ついつい身体が強張ってしまうのか肩凝りなどを招いてしまい、それが歯の障害や胃腸消化器の不調にもつながってしまいます。 寒風にも臆せず毎日 体を動かしている健康志向の方々には気遣いないことかもしれませんが、ヒートショックなどのリスクも含め、体調管理には充分にお気をつけください。

 

日本全国、否、全世界至るところで行われる “祭”、 如何な民族であろうとも、その歴史に “祭” を持たない民族はないのではと思えるほど、人間と祭の結びつきには深いものがあります。 科学が発達していなかった頃の因習と言えばそれまでかもしれませんが、人と信心、人と祭の中には、人が生きていくための切実で慈しみに満ちた想いが息づいているのです。

そんな祭の中で “勇壮” また “荘厳” 時に “厳粛” のイメージをもって用いられる要素が “火” であり “炎” でありましょう。

“火” を持ち利用することで、人間は他の動物とその生態を違えたとも言われますが、それだけ人にとって “火” は特別な存在でもあります。 暖をとり食を豊かにし病を遠ざけ、近代にあってはあらゆるエネルギーを生み出す元となってもいます。
※ 厳密には火を利用する鳥類や植物なども一部確認されています。

しかし 同時に、ひとつ取り扱いを間違えると死に直結する恐怖の源であり、人に非業をもたらす “武器” の多くは “火” の効果を利用しています。

言い換えるならば、自然エネルギーの具象でもある “火” は、古来から人が崇め畏れてきた “神” の姿に極めて近いものであったのかもしれませんね・・。

 

とりわけ “火” を重用する祭 “火祭り”。 国内そして海外幾多の地で催されますが、多くは “12〜3月の厳冬期” また “7〜9月の酷暑期” に行われるようです。 春や秋など人にとって過ごしやすい時期ではなく、越冬・越夏に際して “穢れを浄め” “エネルギーを吸収し” そして “祖霊に対する感謝” を施すとされています。

ここ 埼玉県北西部、渓流 荒川が流れる秩父の里にも『長瀞(ながとろ)の火祭り』と呼ばれる祭事が伝わります。 修験道の流れを汲む “護摩法業” の祭祀であり『真言宗醍醐派 長瀞山 不動寺』によって執り行われます。

燃え盛る炭火の上を裸足で渡る荒行です。稀にテレビなどで目にすることもありますね。 いわゆる「心頭滅却すれば・・」なアレです。まぁ余程に超越した境地にでも至らないかぎり “火もまた涼し” とはならないでしょうが、さすが厳しい修行をくぐり抜けた寺僧たち、掛け声もろとも勇壮に駆け渡ります。 中には四人掛かりで輿を担ぎながらの火渡りもなされ(一般観覧者にはですが・・w)見どころ満点です。

一般公開の祭祀とされていますので、衆々のために火を鎮めた(ソフトな)火渡りも催され、子供さんから高齢者の方まで(時には寺僧介助で)法業を修め、厄除けや健康祈願に浴することが可能です。

修験道とは元々 俗世から離れた極限世界での修行ですが、同時に健康や安寧を願う心は衆々も同じであり、また開かれた祭りでもあれば、こういった一般参加も可能な法業は喜ばしいものでありましょう。

長瀞地域には “秋の七草” になぞらえた 別名 “七草寺” と呼ばれる霊場が形成されており、この『不動寺』は 四番 “撫子” とされています。実際にそれぞれの草花が境内に植えられており、シーズンには “長瀞 七草寺巡り” なども人気が高いのだとか・・。

一応、列記しますと・・

一番 洞昌院 萩
二番 道光寺 尾花
三番 遍照寺 葛
四番 不動寺 撫子
五番 真性寺 女郎花
六番 法善寺 藤袴
七番 多宝寺 桔梗

・・と、なっています。開花時期に若干の開きがありますが、およそ9月中を目処に参詣されれば秋の彩りを堪能出来るのではないでしょうか。

 

話を戻して『長瀞の火祭り』、不動寺の親山 “宝登山(ほどさん)” の麓、ロープウェイ駐車場にて行われます。凡そ午前10時から地元の郷土芸能・獅子舞奉納、秩父屋台ばやし、居合抜刀術の奉納などが次々と納められ、昼過ぎ辺りから修験練行。13時からいよいよ柴燈大護摩、火渡荒行の奉修、そして最後に一般奉賛者の火渡りの運びとなっています。

普段、間近で見ることのない修験道の成果、目に焼き付ける機会かもしれませんね。
ロープウェイと書きましたが、宝登山は霊山であるとともに一般人が親しみやすい、観光に開かれた山でもあります。

『長瀞の火祭り』が行われる3月第一日曜日は、まだ寒さ募る気候だと思いますが、ロウバイや梅が鮮やかな時期かもしれません。 歴史深く、また失われつつある “秩父七湯” などと併せて訪問されるのも良いのではないでしょうか・・。

 

『長瀞 火祭り』 (一社)長瀞町観光協会

開催場所 : 埼玉県長瀞町 不動寺
開催期間 : 2023年3月5日 13:00~15:00(予定)
お問い合わせ : TEL.0494-66-3424 長瀞火祭奉賛会

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください