ことわざから知る昔の道具と暮らしの知識

「諺 / ことわざ」の文字の由来を調べてみると、 “言” 偏は口から出る言葉、つくりの “彦” は形良く整った様を表し、合わせて “美しくまとまって道理を伝える言葉” の意を持っているのだそうです。

「気は心」のような、ほんの些細な気遣いを促す短いことわざから、「駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋をつくる人」のように、そのままの状態を一文に述べながら世の有り様を説く長いものまで、この社会には多種多様なことわざが存在します。

日本においては その元が中国由来のものも沢山あり、その総数は約4万語とも言われています。 当然、海外でもその国の民族・文化ごとに ことわざがあり、世界的な総数となると想像も出来ませんね。

それだけでなく、 “言葉は生き物” と言われるように、ことわざの方も日々更新・創造されてゆくようで、その状況は見ていて飽きることがありません。 近年 気に入った新しいことわざに「したい人10000人、始める人100人、続ける人1人」(中谷彰宏氏作)というものがあります。 このブログも何とか100人には入っているものの、いつまで1人の内に居られるかがミソと言ったところでしょうかw。

 

ともあれ、本日の記事は、日本におけることわざの内、そのことわざに何かしらの道具や民具が含まれてものをキーワードとして、昔の道具や暮らしの有り様や人との関わりを紐解くという、珍しいイベントのご紹介なのです。

『 二足のわらじはなぜわらじ? -ことわざになった道具考- 』

神奈川県川崎市「日本民家園」にて 11月30日(火) まで、このようなユニークな企画展が開催されています。 案内文を見ると以下のような感じ。

「ことわざの中にはよく昔の道具が登場する。今展では、ことわざを通して昔の道具や暮らしをわかりやすく紹介。」

なるほど、というか確かに日本のことわざに道具が登場するものは時折見かけますね。パンフレットの表にも次のような ことわざが踊っています。

・人に貸すとも傘は日向に乾かすな ・箍がゆるむ ・昔撮った杵柄 ・二足のわらじを履く ・匙を投げる ・風呂敷を広げる

人に貸すとも・・というのは 恥ずかしながら今回初めて知ったのですが、その他は日常の端々で よく耳にする言葉です。 あまり風呂敷を広げ過ぎると自分の首を締めてしまうので気をつけましょう・・w。

因みに “二足のわらじを履く” は ご存知のとおり、”両立し難い二つの仕事を一人の人間が同時期に行うこと” を指しますが、これを道具の観点から探ってみると歴史的な事情に辿り着くのです。

江戸時代、博徒=博打打ちは 基本的に御法度でしたが、この博徒を取り締まり捕まえるために、博徒そのものの中から捕縛人を雇い使役したのが事のはじめなのだそう。

高度な捜査手法のない時代、軽度で更生の見込めそうな犯罪者の中から内通者や協力者を募ったのは、洋の東西を問わずよく見られた手法であり、時代劇「鬼平犯科帳」などでも “密偵” という形で登場しますね。

さあ ガサ入れだ! という時、草鞋もそこそこにスタコラ逃げる博徒と、それを必死に追う捕吏の二役は同時にこなせない、という状況からたとえられたものと言われています。※(私の調べた内容で民家園の案内とは異なる可能性があります。)

このように、数十数百の年月を経て現代にまで残り伝わる ことわざには、深い訓意の内容とともに、その言葉が生まれた時代の状況や市井の生活が息づいているのです。

© Wikipedia

私のように地方の都市居住で、あまり関東首都圏まわりを知らない者から見ると、神奈川県の それも川崎市など、およそ高層ビルと住宅地で埋め尽くされていそうなイメージなのですが、「日本民家園」の写真を拝見すると、そんな勝手なイメージを払拭するかのように 緑豊かで閑静な佇まいに立しています。

川崎市多摩区、生田緑地の丘陵地帯は市民憩いの場でもあり、ここに昭和42年開園された「川崎市日本民家園」、主に東日本に点在していた茅葺きの民家や町家、水車小屋、歌舞伎の舞台など、極めて貴重な歴史建造物を移築、展示する稀有な野外展示園です。

軒数は実に25軒を数え、その中には7軒の国指定重要文化財も含まれます。200年の時さえ優に超えて人々の営みを見つめてきた家屋の数々は、歴史の生き証人とも言えるでしょう。 その様は まるで昔話の世界に迷い込んだかのようにも思えますね。

単なる行楽や気分転換の域を超えて 親身に味わう古民家と悠久の息遣い、そんな「日本民家園」で開催される「-ことわざになった道具考-」 現代へと紡がれた歴史の中に、きっと新たな知識と発見があるに違いありません。

 

『 二足のわらじはなぜわらじ?-ことわざになった道具考- 』  川崎市立日本民家園 公式サイト

日  程 : 2021年7月1日(木)~11月30日(火)

休園日は月曜日(祝日の場合は開園)、祝日の翌日(土日・祝日の場合は開園)。10月11日(月)は臨時開園、10月12日(火)は臨時休園。その他臨時休園の可能性あり。11月は9時30分~16時30分。最終入園は閉園30分前。

場  所 : 〒214-0032 神奈川県川崎市多摩区枡形 7−1−1

アクセス : こちらから

問い合わせ : TEL 044-922-2181

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