早いものでもう10月の後半、今年も残すところ2ヶ月余りとなりました。
例年ならば行楽の秋本番な季節にありながら 今年ばかりは(多少なりとも落ち着いてきたとは言え)中々手放しで楽しみ難い状況が続いていますね。
世界的に見ればその感染率・重症化とも少ないと言われる我が国でも、1月に国内初の感染者が確認されて以来、現時点に至るまで10万人に迫る感染者数を数えています。
丸9ヶ月で単純計算するなら1日あたり平均350人の感染確認ということになり、これに現在の状況を照らし合わせるならば・・やはり基本的には横這いの状態といったところでしょうか・・
とは申せ、急激な再拡大やウイルスの変異が起こらないかぎり、その重症化率や死亡率も抑えられてきているようなので、マスクや手洗いなどのリスク管理をした上で密集状態を避けるように気をつければ基本的には感染のリスクも低いのではないかと思われるのですが・・
何であれ、こういった状況から今年は国内でも数多くのイベントが中止の措置を余儀なくされました。東京オリンピックの延期はその最たるものですし、様々なスポーツイベント、地方の小さなお祭りに至るまで感染抑止のために見送られ、楽しみにしていた人々には残念な一年でしたね。
夏場の風物詩とも言える “花火大会” も観客の密集を避けるために多くが中止され、中には待ち焦がれていた人々のために赤字覚悟で無観客開催・打ち上げをしたところもありました。
何から何まで それこそ息苦しい状況が続く今年ですが、苦境の時こそ花開く・・というか開発・進展する技術やアイデアも少なからずある訳で、いわゆる “在宅ワーク” という仕組みも(その賛否はともかく)このような状態になったからこそ進んだ取り組みだったと言えるでしょうか(過剰なオンライン化には懸念が残りますが・・)
さて、こういった流れの中で、擬似的に、そして感染リスクを抑えながら “花火大会” を楽しめるのが 360度全天投影作品『ハナビリウム』です。
全天投影というワードからも解るように “プラネタリウム” の半球天蓋に投影されます。昨年度 開発・先行上映が開始されたもので、コロナ問題に合わせて作られたものではありませんが、本年の状況下では重用され全国の科学館・プラネタリウムを中心に数多くの場所で上映されたようです。
CGを用いて作られた映像なら本物には敵わないと思うなかれ、映像作品ならではの工夫も凝らされています。
何と言ってもリアルな打ち上げ花火では 関係者以外に立ち入ることの出来ない発射位置、打ち手から見上げた花火真下からの映像を再現しています。
通常の横・斜め下から見上げる形ではなく、自らの真上に数多くの大輪が集中して一斉に花開く様はこの先も中々巡り会えない景色ではないでしょうか。
また『ハナビリウム』では見た目の美しさだけではなく、花火そのものの “始まり” “歴史” “文化” といった側面にも触れ、それを楽しい物語として作品化していますので、お子さんから大人に至るまで興味深いひとときを過ごせるでしょう。
この『ハナビリウム』 本年度は緊急事態宣言が解除された頃から国内イベントの抑制に合わせて全国の施設で上映を重ねてきましたが、ここにきてそろそろ上映のスケジュールも減少しつつあるように思えます。
本日、ご紹介する岡山県倉敷市の倉敷ライフパーク「倉敷科学センター」では、現在
この『ハナビリウム』をはじめ、日本中を沸かせたあの探査衛星の二番手『はやぶさ2−小惑星リュウグウへ』、天文学者を夢見る少年の不思議な体験『星の降る夜に ~流星群の正体に迫る~』など、魅力に溢れたプログラムを組んで上映しています。
今月から来月の中旬にかけて『ハナビリウム』は 平日・休日ともに上映が予定されていますが、中旬以降は平日の上映が『はやぶさ2』へ移行される予定とのこと、岡山県及び近県でまだ『ハナビリウム』を体験されておらず 気になっておられた方は一考の余地があるかもしれませんね。
「晴れの国 おかやま」をキャッチフレーズとする岡山県は、同時に「天文王国おかやま」をも謳っています。昨年度にはリニューアルオープンされた「倉敷科学センター」で有意義な時間を過ごされては如何でしょうか。
一方、東日本では群馬県太田市の「ぐんま こどもの国 児童会館」スペースシアタープラネタリウムにおいて来年の6月までの上映が予定されていたり、国内においてまだ何ヶ所かは『ハナビリウム』の体験が可能なようです。(詳しくはこちらから)
閉塞感が拭いきれない こんな時期だからこそ経験出来る、家族の新しい過ごし方、今までにない体験など、視点を変え 頭を使って取り組んでみる。 発想の転換こそがこれからの時代を生き抜く知恵なのかもしれませんね。
一つや二つのプラネタリウムや映画が人の人生観を変えてしまうことは極めて稀でしょう。 しかし、広大な宇宙を前にして人が己の無力感、人の世のしがらみの小ささを感じることは往々にしてあることです。
新型コロナウイルスを含めてSARS、MERS、そしてエボラ出血熱など、 ここ10〜30年の世界的流行病の頻発のそもそもの原因は、人間の自然破壊に因があるという研究報告もされています。(Huffington Post / 2020年7月 国連レポート)
近年の流行病の大半が「ズーノーシス」(野生動物由来の感染症)にかかるものであることから、自然破壊による生態系の乱れが異変の根源にあるというものです。
78億にも届く世界の人口を支えるためには自然破壊も事実上必要なのかもしれません、しかし、流行病の頻発が自然破壊を由来とするなら それは自然による人類排除の意思表示のように思えてならないのです。
人ひとりの力はとても小さなものですが、天球を見上げて感動を得るならその時に世界のあり方について一考を巡らせてみたい、何も出来ない、何も変わらないかもしれないけれど、ひとりでも多くの人が “意識” を持つことによって ほんの少しだけベクトルが変わるかもしれない・・ 成熟した人の未来がいつか来ることを祈って・・
※ ご承知のとおり 現在 コロナウイルス感染症問題に関連して、各地の行楽地・アミューズメント施設などでは その対策を実施中です。 それらの場所へお出かけの際は事前の体調管理・マスクや消毒対策の準備を整えられた上、各施設の対策にご協力の程お願い致します。 また これらの諸問題から施設の休館やイベントの中止なども予想されますので、お出掛け直前のご確認をお勧め申し上げます。
お願い:運営状況、イベント等ご紹介記事の詳細やご質問については各開催先へお問い合わせ下さい。当サイトは運営内容に関する変更や中止、参加によるトラブル等の責務を負いません。
「天文王国おかやま 倉敷科学センター」 岡山観光WEBサイト
「ライフパーク倉敷 倉敷科学センター」 公式サイト
場 所 : 〒712-8046 岡山県倉敷市福田町古新田940
開館日 : 火~日曜日 9:00~17:15(入館は16:45まで)
休館日 : 毎週月曜日(祝日の場合は翌日),年末年始
料 金 : こちらから
備 考 : プラネタリウム・全天周映画とも臨時休演有り、要事前確認
問い合わせ : TEL 086-454-0300
「ハナビリウム HANABIRIUM」 公式サイト