せんべいの故郷ここにあり 米菓の王国(前)- 新潟県

今までも何度か書いていますが、”イナバナ.コム” の意味のひとつには ”イネの花” の意味も含まれています。 (もうひとつの意味はイナカの話)

イネの花 / 稲の花 の開花時期は 地域や稲の品種によって異なるのですが、早生のものなら6~7月、中手でお盆前後、遅手のものなら9月といったところでしょうか。
丁度今この原稿を書いている今頃は、当地で多くは既に消えてしまっていますね。

開花しても花を観察出来る時間は一日の内 午前中~昼にかけて3~5時間程度、期間通算一週間程度とかなり限られる上に、遠目には非常に解りにくく、また 近寄って見たとしても ”綺麗だなぁ!” と感動出来る程のものでもなく、地味な外観なので華やかさは微塵もありません(本当に地味さではこのブログと共通していますね・・ ^^;)

わざわざ見に行くようなものでもありませんが、一度は見てみたいと思われる方は米農家の方にご相談の上、開花時期を教えてもらい田圃や畦を痛めないよう注意しながらお出かけください。

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さて、散々 地味だの何だのこき下ろしてしまいましたが、この地味な ”稲の花” が咲かないことには稲は実を結びません。 花びらさえ満足に持たないこの花が咲けばこそ やがて稲は頭を垂れるほど実を実らせ、遥かに広がる黄金の田園風景を私達の前に見せるのです。

日本人のお腹をまかなう米生産地、日本の米どころについても過去に何度か書かせて頂きましたが、やはり日本最大の米どころと言えば「新潟県」が群を抜いているようです。

ところが今日、”魚沼産コシヒカリ” の名で知られる新潟県ですが、意外や昭和の前半頃までは生産量はあっても ”味” については あまり評価の高い地域とは言えず、一説には ”鳥マタギ(鳥も食べずに跨いで通るの意)” などと揶揄されたとの話も残っていたのだとか・・

しかし、それだけに「美味い米」の 開発・生育は県民の悲願でもありました。 そして昭和37年を起点に始まった「日本一うまいコメづくり運動」に情熱を傾け、当初は生育姓に問題点も少なくなかった ”コシヒカリ” を福井県とともに育て上げ 今日の隆盛にまでつなげたのです。

”コシヒカリ”-越の国で光り輝く米となった品種は、現在では全国 米作付け面積の約30%を占めるほどの広がりを見せ、新潟県を日本一の米どころへと押し上げたのです。

 

ところで、私たちが時に触れ 口にするお菓子、それも米菓と呼ばれる ”せんべい” は 私達 日本人にとって外すことの出来ない、まさにキング・オブ・ジャパニーズスナックといった存在ですね。
米どころ日本一の新潟県は、同時にこの米によるお菓子、米菓 / せんべい の生産・出荷量でも日本一を誇っており、国内50%以上の市場出荷を占めるそうです。

何十年とロングランを続ける「ハッピーターン」「ばかうけ」「柿の種」「雪の宿」「ぽたぽた焼」・・数え上げれば切りが無いほど私たちの茶の間の顔として親しまれた “せんべい”、その内のかなりの顔ぶれが ここ新潟で生まれ、全国の家庭へとお目見えするのですね。

ちなみにご存じの方も多いかと思いますが、似たような商品である “せんべい” “おかき” “あられ” ですが、”せんべい” は うるち米(普通のお米)を原料とし、”おかき” ”あられ” は もち米を原料とし、大きめのものを ”おかき” 小さめのものを ”あられ” と呼ぶのだそうです。

比較的、サクサクした歯ざわりの ”せんべい” と カリカリ硬めの “おかき” “あられ” の雰囲気も、原料を知れば なるほどと納得出来ますね。

と、言うことで今回は新潟県の米菓産業にスポットを当ててみたいと思います。

 

亀田製菓 (亀田製菓株式会社)

国内最大の米菓メーカーであり、「柿の種」をはじめとして「ハッピーターン」や「ソフトサラダ」で知られる有名企業は、まだ戦中の頃 亀田町に設立された亀田郷農民組合を端緒に持ち当初は水飴なども製造していたそうです。

© 亀田製菓株式会社 様

昭和32年(1957年)亀田製菓株式会社 として改組し、本格的な米菓・菓子メーカーとして歩みだすのですが、その時の経営理念として次のような言葉が残されています。

~ 企業経営本来の目的とは、安い原価で最良の製品を作り、社会福祉に貢献すると共に、これにつらなる人々が安んじて生活を楽しむためのものでなくてなならない。従って株主、従業員の意志が充分経営活動に盛り込まれるよう、民主経営方式をとる必要がある。~

多くのヒット商品を世に送り出し「亀田のあられ ♪ おせんべい ♪」のCMソングを知らぬ者はいないほど社会に周知された会社は、地元の組合から日本を代表する会社へと成長し、今やグローバル企業へ発展する要因には、時代を先取りしたかのような上記の矜持と柔軟な発想が有ったからなのかもしれません。

グループ企業であり地域限定や施設限定、特装品に実績のある「アジカル株式会社」開発の特別商品発表・販売と併せて益々商品のラインナップに広がりを見せています。

 

近年では菓子メーカーもそのPRに様々なアプローチで取り組んでおり、各社ホームページにも色々と趣向を凝らしていますが、亀田製菓のサイトからは こちらをご紹介しておきましょうかね・・

「おばあちゃんのぽたぽた焼-スペシャルサイト」から『ぽたぽた焼 親子あそび』 (亀田製菓株式会社HP)

お家で過ごすことの多い昨今、”おばあちゃん” が持ちかけてくれそうな素朴な遊びで、お子さんとの時間を楽しまれては如何でしょうか?(^^)

次回、新潟県における他の米菓会社のご紹介とともに、”せんべい” の歴史や現在そして未来への話題を記事に続けさせて頂きたいと思います。

 

 

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