お米-身近な日本の”食”のお話をもういちど(後)

日本の”お米” のお話 後編です。
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そもそも 今回”お米” のお話を2回に渡って書かせて頂いたのは、いつかは記事にしたいと前々から考えていたこと、理由はふたつ、 ひとつは”お米” が日本人の根幹に関わる大事なものであるということ、もうひとつは・・文末をお待ち下さい。

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米離れが日本人の単なる欧米志向だけではなく意図的なもの・・と前稿で書きましたが、意図的なものの影 とは・・アメリカのことです。
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元々お米は日本の食の中心と書いてきましたが、前稿でもお伝えしたように白米のみの米食が普通に摂れるようになったのは極めて近代のこと、封建時代~昭和初期に至るまでその需要量に対して常に供給不足の状態が続いていました。(それ故に封建時代にあっては投機の中心であり権力者の資産となり得たわけですが)
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そこへきて2度の大戦、そして敗戦です。国内の食料危機は極限に達していました。

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これに対してアメリカは2度の大戦の間、一貫して大規模な小麦増産政策をとっていたわけですが、大戦終了にともない拡大した余剰小麦の行き先を模索。
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戦後、極度の食糧不足の中 人々の飢えを満たしたものが、極めて安価で莫大に供給されたアメリカ産小麦であったことは否めません。
大量に輸入された小麦、そして脱脂粉乳が格安で全土に行き渡ったことにより人々は救われ やがて再開された学校給食にもそれらは組み込まれてゆきました。
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只、これらの格安供給はあくまでも慈善ではなく継続的な消費国構築のための布石だったと言っても過言ではないでしょう。
供給に際してはパン食を中心とした小麦拡大キャンペーンも全国的に展開され、欧米文化への憧れとともに”食” の変化は着実に根付いていったのです。
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ここまで見ますとアメリカの戦略に乗せられたと言えますが、作付けも収穫もままならず物流も、そして法さえ満足に機能していなかった時代 アメリカの物資と文化で生活の補填と新しい時代を迎えられたことも事実です。
その影響・結果がどうであれ、あらゆる国と人をして織りなされる歴史というものは そういうものといったところなのでしょうか。
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ともあれ 国策として推し進められてきた米の安定供給がようやく確立しつつあった昭和30年代後半には、パン食の文化も定着し始め 数年を待たずして米は供給過剰の状態となり、45年以降 一転して「減反政策」がとられるに至り それは昨年 平成30年まで続けられました。

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当然ですがパン食が良くないわけではありません。
調理の必要がほぼなく簡単に摂れて携帯性も持ち合わせ、ある程度の保存も効く手軽さは現代の生活には有効ですし、美味しいコーヒーなどと一緒に頂く一時は心に和らぎをもたらせてくれますね。
小麦粉そのものもパン以外に麺類、パスタなど加工性の良い食材です。
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只、ひとつ忘れてならないのは日本で流通するパンの多くが、それを主食とする欧米のパンとは異なるということです。
パン文化圏におけるパンとは正に”主食” である為 その中身もぎっしり詰まったもので味も淡白、栄養価のバランスも違います。 これに比べると日本のパンは口当たりを優先した密度の希薄な状態で 比較的 調味料も多く使われ、お菓子に近い作りとなっています。
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どんなことでもバランスが大事なように、偏った食生活は良い結果を招きません。
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米食が日本をはじめアジアに根付いたのは温暖で湿潤 適度な寒暖差と、その自然に基づくものです。
古来から続いてきた自然食である米食を今一度大事にしながら、適度にパンや小麦の加工食品を取り入れてゆくのが良いかたちと言えるのではないでしょうか。
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前編で米の摂取量低下の下りで日本人の少食に少し触れましたが、日本人のみならず文明の発達にともない人の食欲は”量” から”味” や”嗜好性” へと移行してゆくようです。
経済的に豊かになると”主食” へも商品価値へのこだわりが生まれ、同時に便利になった世の中で人の運動量も低下してゆき必然的に”主食” の摂取量も低下、反して菓子類など手軽で高カロリーのものを口にしやすくなります。
健康やダイエットに関して”ご飯” のカロリーを気にされる方も多いですが、食事と身体は得るものと消費するもののバランス、摂取した分消費する、そのサイクルとリズムの確立が大事ということでしょうか。

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ここまで “お米” のあれやこれを粗末ながら お伝えしてきましたが、
ところで “お米” にも “花” が咲くのをご存知でしょうか?
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正確には “稲の花” ですが・・ いわゆる “花” というには地味でとても小さな姿ですので稲作に従事されている方や田圃の近くにお住まいの方でないと、聞いたことはあっても見たことはないという方も多いかも知れません。
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稲穂がその身をさらす7月の末から8月上旬の頃、ほんの1週間ほどの間だけその姿を現します。 離れて見ると見分けにくく、近くで見ても白い粒々が見える程度なので、意識して見ていないと見つけにくいと思います。
(この時期は特に稲穂の受粉という大事な時期ですので田圃に入ったりしないで下さいね)

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イナバナ.コム の名前は “田舎の話”(恋愛の話=恋バナと同じ)から付けました。
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同時に日本の基礎でもある “お米の花=稲の花=イナバナ” という意味も重ね合わせています。 地味だけど大切なものの本質につながることを取り上げてみたい、そんな想いで・・
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これが 今回 “お米” を記事にさせて頂いたもうひとつの理由です。
拙いこのサイトで何が出来るわけでもありませんが、多種多様の故郷のイベント、懐かしい民話や神話、そして ちょっと気になることのコラムをお届けすることで、日本の文化の基礎、生活でのウィットを楽しんで頂けるよう努めさせて頂きます。
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今後ともイナバナ.コム を宜しくお願い申し上げます。

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