寒き中に陽光・阿州健康の花を愛でる – 静岡県

朝夕の気温が10度前後ともなると さすがに秋の深まりを感じます。
先月末に “黒髪山乳待坊ー佐賀県” の紅葉の記事をお伝えしてから1ヶ月、最早 紅葉のご案内時期は過ぎており、言う間に年の瀬・迎春の記事を考えねばならない時節となりました。

“秋の日はつるべ落とし” と言いますが・・、いやはや年を追うごとに 一年そのものが “つるべ落とし状態” に感じてしまう今日この頃ですw。

さてさて、本日の題名・・少々??な文字が並んでいますが・・、スミマセン、題名用の造語であります。 ここで言う “阿州” とは “アフリカ” の漢字表記です。(厳密には阿弗利加と書きます)。

アフリカ原産で健康に寄与する植物と言えば、思い当たる方も多いのではないでしょうか。 トゲ(棘)のようなギザギザが付いた肉厚の葉 『アロエ』です。

 

アロエは 日本でも人気の植物、特に園芸品種のひとつとして重宝されているのはご存知のとおりです。 前述のように葉の外縁にトゲが並んでいるため、ガーデニングでもあまり前面には出せませんが、古くからの定番、全体の華やかさを調整し、落ち着きと奥深さを与える名脇役として欠かせない存在でもありますね・・。

“阿州” アフリカ南部を主な原産として世界に広まり愛育されていますが、そこはやはり南国生まれ、あまり寒く日当たりの少ない場所は苦手のようで 暖かい環境の方が好みの様子。 その種は200数十種に及び、一般的にイメージされる高さ数十センチ程度のものから20メートルに届く巨木性のものまで存在するようです。 ※ 最大種の “アロエ・バーベラエ” は現在 再整理されて “アロイデンドロン属” となっています。

茎を持たない、もしくは殆ど見えない形のものから、スラッとした茎を蓄えるものまで、想像以上に多様な形態を持っています。

人とアロエの歴史は古く 紀元前から食用・薬用として重用され、”旧約聖書” の中にも その記述を見ることができるのだとか。

彼のクレオパトラも愛用、アロエ原産地のひとつであるアラビアからヨーロッパ、シルクロードを経て中国、そして鎌倉時代に日本へと伝わり 主に太平洋側に根付きました。 文字で書けばたった2〜3行ですが、考えてみると壮大な歴史ロマンのようにも思えますね。

「医者いらず」の異名さえ持つアロエ。 整腸作用、筋肉痛や関節炎を抑える緩和作用、肌理を整える保湿作用、そして切り傷や火傷の治りを早める治癒効果など、まさに万能薬といっていいほど多様な薬効を持っているそうで、古から人の隣にあり続けた所以が分かろうというもの。 現在もその薬効に基づく医薬品、化粧品、健康補助食品などが多様に販売されていて、愛用されておられる方も多いでしょう。 ※ アロエの薬効には胃腸の弱い方や妊婦への禁忌が一部あるそうです。ご注意のほど。

因みに、あくまで私事で恐縮ですが・・、 幼い頃、よく遊びに行っていたお隣の生け垣の端に2〜3株のアロエが植えられていました。昔の子どもながら遊び傷を負ったときに、よくそのアロエの葉先を少し折って傷口に塗り付けていたのを憶えています。

それが、誰にその薬効を聞いていた訳でもないのに、何故か効き目があるような気がして塗っていたように記憶しているのです。 ・・まぁ おそらく親などから聞いていたのでしょうが、何か自然に思い至り実行していたように思える不思議な思い出です。

観賞用・薬効 としてメジャーなのが「キダチアロエ(木立蘆薈)」(苦味が少なく食用として用いられるのは多く「アロエベラ」) 特徴的な姿から多肉植物のイメージが先に立ち、”花” を咲かせる印象が少し薄いのですが、赤から黄色の艶やかな花を咲かせます。

印象が薄いのは、ある程度の大株であること、環境が適していることなど、条件が求められることや、開花期が寒冷時期であることなどが挙げられるでしょうか・・。 元々 熱帯性のアロエ、真冬にだけ披露する色鮮やかな姿、それも群生での景観は情熱的であるとともに貴重なものでもあるのでしょう。

静岡県 伊豆半島南部、温暖な気候、夏には海水浴客で賑わう “白浜(伊豆白浜)” も間近な浜沿いの一角に『アロエの里』はあります。

伊豆を代表する “キダチアロエ” の群生地であり、11月の末から翌1月初頭にかけて一面に鮮やかな花を咲かせます。 身を縮ませるはずの季節に、陽光に晒され広がるエキゾチックな情景は、ひとときの南国情緒を届けてくれるかもしれませんね。

『アロエの里』では 開花期間を中心に『アロエの花まつり』を開催するそうです。

開催期間中には 会場の売店で、アロエ関連製品やさんま寿司などの地場特産品の販売、アロエ茶の無料サービスなどが行なわれ、また周辺の民宿ではアロエの料理(天ぷら、ハンバーグなど)やアロエ風呂?が用意されているそうです。 (アロエを漬け込んだ風呂ですかね? 体に良さそう・・)

上述のとおり、温暖な環境を好むアロエ、屋外で群生してキダチアロエが育つのは “寒冷期にも無雪・無霜の場所” に限られるそうで、下田・伊豆白浜の群生地は全国的にみても希少な存在なのだとか。

その花言葉は “健康・万能”、年間を通して陽の光を全身に吸収し育ったアロエの陽気なパワー、そして色艶やかな花の眼福をもらいに南伊豆に行ってみるのも良いかもしれませんね。 冬に味わう熱帯の恩恵です・・。

過去の関連記事:『真冬に常春の息吹を 南房総の花畑 – 千葉県』

『 アロエの里 アロエの花まつり 』 伊豆白浜観光協会 公式サイト

日  程 : 2022年11月26日(土) ~2023年1月9日(月・祝)

場  所 : 静岡県下田市白浜板戸一色 アロエの里

時  間 : 売店・休憩所開設は9:00〜15:00

駐 車 場 : アロエの里駐車場を利用/アロエまつり期間中は無料

問い合わせ : TEL:0558-22-5240 FAX:0558-22-5280 伊豆白浜観光協会

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