老兵は死なず未だ現役「デハ100型」- 群馬県

「デハ100型」と聞いてピンと来られた方は、鉄道に興味の深い方でしょう。大正時代から昭和初期、戦前にかけて製造された “電車” の車両記号です。 鉄道マニアでなくとも “聞いたことならある” 方も多い電車・列車の車両記号、「クハ」「モハ」「サハ」「ロネ」「ハネ」など面白い響きのカタカナが並びますね・・。

これらの車両記号というものは、戦前の日本で鉄道の行政管轄を執っていた「鐵道省(鉄道省)」(後の国鉄・JR の前身)によって定められ、主に公営の列車へと割り当てられたもので、”ク” は制御車、”モ” はモーター車、”ハ” は三等車→普通車、”ロネ・ハネ” は寝台車などの種類を表すものとなります。

公営ではないもの、つまり私鉄の列車では これらの記号に属しませんが、公営に習って似たような記号番号を割り当てました。 つまり “デハ100” は電気(デンキ)で動く普通等級の電車 イチマルマル型ということになります。

およそ戦前に製造され 地域の足として導入され、当時としては蒸気機関車に変わる新進気鋭の交通手段として、中部から関東地方の私鉄沿線で昭和40年代頃まで活躍しました。

 

電気で動く普通等級の電車 、当時最新鋭のコミューターとはいえ、現在の感覚で考えるならば何の変哲もないただの普通電車であるわけですが、この「デハ100型」製造から既に90~100年の時が経っています。

その「デハ100型」を、令和である現在も動態で保有・保存するのが群馬県前橋市に本社を置く『上毛電鉄』です。

上毛電気鉄道 デハ101 画像 Wikipedia @ PekePON 様

明治時代のSL(蒸気機関車)が残るのに、たかだか100年前の電車くらいで・・と思うなかれ、古典的な動作原理をもつ物に比べ、電気で動作する物の維持と更新は遥かに難しいのです。 全て手作業で露出やピントを合わせた古のカメラがいまだに修理可能なのに対して、電子部品で組み上げられたカメラの修理が極めて困難なのと同じですね。

さすがに通常の路線運行に用いるには不便がありますが、現役で走ることが出来、実際、イベントや “貸切運転” という夢のようなプロモーションで運用されており、齢90を超える車両で現役運行可能な電車車体は、国内でも極めて稀な存在と言えましょう。

 

少しだけ専門的な話に触れますと、この「デハ100型」、”吊り掛け駆動式” という電車製造初期の古典的構造をもった車両で、上毛電鉄の言葉を借りますと「「ウーウー」とうなるような独特の低駆動音が客室にじかに伝わり、鉄道愛好家だけでなく皆様の心を魅了しております。」だそうです。

現在なら低騒音と思えるような音でも、レトロな古典電車であれば、これも得難い魅力のひとつと言えるのでしょうね。

昭和3年(1928)の営業開始、ベルベット地に対面式の着座、天井から照らす照明は大正ロマンを想い起こす風情に溢れています。 現在の極めて乗り心地の良い車両とは一線を画しますが、昔よく表現された「ウーガタン、ゴトン」の旋律は、乗る人を懐かしい時代へのタイムスリップへと誘うに違いありません。

上でも申しましたように、この車両を貸し切りで運行させることが可能です。経費(料金)10万円(税別)が掛かりますが、電車1輌を動かすために 個人1人2人で借りることは あまりないでしょうし、電車好きの方が集まって楽しむ会、レトロな雰囲気の中でミニ旅行会など、アイデア次第で活用の用途は様々に開けそうですね。

上毛電鉄では、また「電車運転体験ツアー 700形2往復」という体験イベントも、逐次 開催しています。 (今回は1月29日(土)・2月26日(土) ) 小学1年生から大人まで、お好きな方には夢にまで見る電車の運転体験が出来るようで、まさに “リアル 電車でGO” となるでしょう。

 

名物 赤城山を仰ぎながら走る「上毛電鉄」 大正15年設立。昭和3年(1928年)の開業以来、地元の足として走り続けてきた路線も、今や全国地方沿線と同じくして その経営は芳しくありません。

それでも頑張って走り続ける姿は「デハ100型」に象徴されているのかもしれませんね。

地方沿線が衰退した背景には、地方人口の減少や自動車社会の到来が原因とされますが、時代の流れ・変遷には如何ともし難いところもあったのでしょう。

しかし 現在、車社会や移動交通システムに大きな変革の波が訪れているように、今後また地方在住・活動の時代がやって来ないとも限りません。

そうした時が訪れるまで、地域の路線が絶えることがないよう応援を絶やさずにイナバナ.コムも頑張っていきたいと思っています。

現在、オミクロン株拡大が懸念され、また今季は寒さも厳しい冬とも言われているので、この時期の訪問は躊躇われる要素も少なくありませんが、春になり、またコロナの対応が安定に入った頃には旅行も兼ねて群馬の地を訪ねられるのも良いかもしれません。

マップでも解るように、大胡から粕川駅を起点とした周辺には見どころも多いようです。暖かい日差しを求めて上州を訪れられる折には、是非とも上毛電鉄や「デハ100型」のことを思い出して下されば幸いです。

上毛電気鉄道 株式会社 公式サイト

 

 

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