紅白 讃岐のお正月 讃岐のお雑煮 – 香川県

1月3日、三が日も三日目となり古来からの風習はともかく、現代的なお正月は今日まで・・、いや、今年は3日が月曜日となっているため 既に今日からお仕事始めという方も少なくないのかも知れません。 年始が週末の曜日に重なっているとちょっぴり損したような気分になってしまいますね・・w。 逆に、年末年始、大忙しでようやくこれから お休みで一息・・という方もおられるでしょう・・お疲れさまでした。

コロナ、コロナで揺れた二年間・・と先年は記事にも書きましたが、未だその災禍と驚異は払拭しきれず、オミクロン株の拡散もあって予断を許さない状況が続いています。
どうか皆様も普段からの健康管理にご留意いただき、今年も一年元気にお過ごしいただければと思います。

 

さて、近年では お正月と言えど昔のような特別感も少しずつ薄らぎ、しめ飾りをしたり、数段のお重に”おせち”を頂いたり という風習も、かなり簡略化されています。

昭和の頃までは お盆やお正月ともなると、個人の生活だけでなく社会そのものが休息モードになるためか街全体が静まり返り、凧揚げをする子どもたちの歓声を除けば、まこと “静かなお正月” であったことを思い出します。

合理化されたスマートな生活も悪くはないですが、季節の区切りをしっかり味わえる風習・歳事も途切れることなく続いてほしいと思うのは私だけでしょうか・・。

 

薄らいだとはいえ、今もお正月時期に “おせち” とともに食されるものといえば “お雑煮” ですね。 その名のとおり雑煮であるわけですから決まった形式があるわけではなく、何をどう入れても、どう調理しても良いわけですが、一般的には味噌汁もしくは吸い物に 餅をはじめとした各種具材を入れたものがスタンダードな形として知られています。

「餅」をメインの食材として入れるのは “おせち” と同じく、正月期間中の女房(妻・家事担当の女子衆)の負担軽減を含んだ、保存性食材であるからと思われますが、その他の具材については地方ごと、また各家庭ごとに様々な違いが見られます。 基盤となる汁についても およそ東日本で吸い物(すまし汁)西日本で味噌汁と言われていますが、近年ではその分布も曖昧になりつつあるようです。

我が家のお雑煮は味噌汁(合わせ味噌)に角丸問わず餅を入れ、大根や人参、小芋、葱などが入った滋味なスタイルですが(・・と、自分では思っている)、”所変われば品変わる” のとおり違う地域の方から見れば「?!」となるかもしれないのが、”お国柄” の面白いところでもありますね。

 

平成23年(2011年)「うどん県 宣言!」をした 香川県、・・もう、何と言うか、観光広報のためとはいえ、そこまでかと思えるほど “うどん大好き県” として、全国に知られたお国柄ですが・・、されど人は千差万別、十人十色、香川県民であっても “うどん はあまり好きでない” という方もおられましょう。

とは言え、香川県の “うどん” 消費量は 全国平均の2倍強、生産量は2位の埼玉県を引き離して やはり2倍強と、他の追随をまったく寄せ付けない圧倒的な “うどん大好き度” を示しています。 確かに “うどん県” の名は伊達ではありませんね・・。
普段の “うどん食” のみならず、年越しの際の夜食も “年越し蕎麦” ならぬ “年越しうどん” を食べられる方が多いそうなので、その “うどん愛” は半端ではないのでしょう。

これだけ “うどん” が好きだと、正月のお雑煮にも “うどん” を入れて食べているのではないかと思えますが・・、 やっぱり有りますね・・w 「雑煮うどん」というものが存在するようです。

只、これは 名のごとく “雑煮風のうどん” であり “うどん” の一形態、ひとつのメニューであって “お雑煮” のバリエーションではなく、風習でもないそうです。・・残念

 

代わりというわけではありませんが、香川県(の主に東部平野地方)の お雑煮に古くから伝わる風習として「餡餅雑煮(あんもちぞうに」というものがあります。

白味噌仕立てのお雑煮に “餡餅” 、要するに “大福餅” のようなアンコ餅が入っているのだそうで、仕上げに上から “アオサの粉(ふりかけ海苔のようなもの)” をかけて頂くのだそうです。

正月料理にあっては “おせち” に対して、”主食” 的役割の高いお雑煮、比較的 淡白でありながら塩味方向に振るべきお雑煮にアンコ餅ってどうよ? と、いう感じもしますが・・、県民・地域民の方でも好きな方とそうでない方に分かれるようです。(^_^;)

私自身は甘いものも辛いものも好きなので、塩味がアンコの甘みを引き立てて案外美味しいような気もするし、ご飯に甘いもの?という気もするし・・、実際のところ食べてみないと分からないといった感じでしょうか。

因みに先に上げた、メニューとしての料理「雑煮うどん」の一種として「餡雑煮うどん」という餡餅の入った “うどん” もあるようです。 やはり香川県において “餡餅” がひとつの “ご当地食材” となっているのは間違いないようですね。

 

他の地域から見ると奇習とも思えそうな “餡餅雑煮” ですが、これが出来たことにはちゃんとした理由があります。

江戸時代、香川県がまだ讃岐国と呼ばれた頃、この地は温暖で適度な雨が降る地勢で製塩に適しており、また、綿花などとともに “サトウキビ” が沢山栽培されていました。 高松藩はこの気候を活かすことにより「讃岐三白」(さぬきさんぱく・三品みな白いことから)と呼ばれた特産品を確立し、藩の重要な輸出品としていたのです。

しかし、サトウキビから砂糖を精製するのは当時としては大変な作業、それでいて品目となれば とても貴重・高価なものなので、生産に携わっている一般の人々には、とてもとても口にできるものではありませんでした。

作っているのに、目の前にあるのに食べられない・・それは結構なストレスです・・。
そこで、せめて めでたい正月だけでも砂糖の甘味を味わいたいと始められたのが、精製前の “白下糖(しろしたとう)” という 粗糖を、餅に入れ込んだ甘餅雑煮でした。

これが 今日にまで続く「餡餅雑煮」の始まり」だったのです。

地方・地域による食の違いは、その地の気候・地勢によるもの、その地が辿ってきた歴史、そして、そこで暮らす人々の想いによるものだということが解りますね。

紅い小豆、そして白い “うどん” 、讃岐の人々によって愛され紡がれる食の文化と歴史のエピソードでした。

 

 

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