おにぎりア・ラ・カルト

冬至も間近、クリスマスも控えた今、どちらかというと鍋ものとかグリルチキンとか、温かくゴージャスな料理に目がいくこの時期に、何故わざわざ簡易食の元祖 “おにぎり” の記事? ・・と、思われるかもしれませんが・・・

申し訳無い、特に今回 意味はありません m(__)m

ただ単に書いてみたかったのです・・。ただ単に “おにぎり” が好きなので・・。

 

“おにぎり” が嫌いだ!という人はいません! ・・てなことはないでしょうが、あまり身近で聞いたことがありません。 しかし、中にはお好きでない方も居られのでは? と調べたところ、やはり居られますね・・当然ながら食の好みも十人十色ということでしょう。

お嫌いな方は、ご飯をわざわざ握り固めた食感や、ふとしたことで感じる匂い、冷たい飯粒などが その理由のようです。 また、食べた気がしない という方も居られましたが、これは量的な問題というよりも多彩な副食を楽しみたいという好みからでしょうか。

そして近年は衛生意識が高じたためか、家族であっても、人の手で直接触ったのが受け付けられない という方も居られるようです。

 

私自身は家族や周りから神経質と言われるも、衛生に関しては自らの免疫力や抵抗力維持のためにも、一定レベル以下の不衛生?は受け入れるスタンスなので、手の平で直接握るのも気になりませんし、むしろ母や家内が握ってくれた “おにぎり” には暖かみを感じて好きです。

しかし、こんな私でも やはり好みというものは有りまして、”おにぎり” を包む “海苔” に関しては、しなっと湿気ってへばり付いたのは あまり好きでなく、パリッとした食感が欲しいため、出来るだけ食べるその場で貼って食べたい派です。 コンビニの “おにぎり” が、シートを引き抜いて “海苔” を合わせる方式を初めて見た時は感心したものでしたw。

 

さてさて、”おにぎり” に関する個人の好みは一旦 脇に置いといて・・。

昭和62年(1987年)石川県羽咋市の眉丈山にある “杉谷チャノバタケ遺跡” から、底辺約5cm 他の二辺が8cm 厚み3.5cmの三角形の真っ黒な炭化物が見つかりました。

約2000年前(弥生時代)の竪穴式住居から見つかった この物体は、その後の調査で蒸した米を握り固めた後に焼いたものと解り、これが日本最古級の握り飯、”おにぎり” のご先祖様と言えるでしょうか。(但し 工程的には “粽(チマキ)” に近い)

その後、神奈川県平塚市の北金目塚越遺跡からも同様の “おにぎり遺物?” が 発見されたことなどからも、日本人と “おにぎり” の悠久の関わりが裏付けられたのですが・・、上でも触れましたように、原初から鎌倉時代辺りまでは主に 蒸した”もち米” を主体とした “粽” に近い形のものが主流であったそうです。

一説には この鎌倉時代に(保存性を高めるためでしょうか)梅干しが入れられるようになったとされ、また “うるち米(普通のお米)” が 用いられるようにもなったようで、言ってみれば “おにぎり” の一大ターニングポイントの時代であったのかも知れませんね。

平安時代に “屯食(とんじき)” の名で呼ばれたように、永く “おにぎり” は兵士のための兵糧でもありました。 灰汁で煮る、梅干しを入れるなど防腐処理、野草などを含む炊き込みごはんを使った栄養価の増進など、様々な工夫を凝らしながら兵士たちの腹を満たし、携行食としての機能を高めていったのです。

江戸時代、平穏な世となって “おにぎり” は兵糧としてよりも、庶民の携行食や間食として重宝されるようになっていきます。 延宝年間頃から始まったといわれる “浅草海苔の養殖” の影響で “板海苔” が普及したことから “海苔巻おにぎり” が生まれ、ここに今日の “おにぎり” の基本形が完成されたと言えるでしょうか。

(左)石川県 杉谷チャノバタケ遺跡 (右)神奈川県 北金目塚越遺跡 出土品

 

ところで “おにぎり” には他に “おむすび” “握り飯” という呼び名が共存しますが、ここに何らかの違いがあるのでしょうか? 「おむすびころりん」とは言っても「おにぎりころりん」とは言いませんね・・w? しかし、どの呼び名にも共通しているのが、手で握って作るという工程を表す言葉であって、ここに明確な差異はありません。

一説に東日本で “おにぎり” と呼び 西日本では “おむすび” と呼ぶという話もありますが、全く異なる結果も見受けられ 地域性については判然としません。 中には北関東の一部の地域に “俵型(円柱状)” に握ったものを “おにぎり” 、三角形のものを “おむすび” と呼び分ける地域もあるようです。

面白いところで、『 ローソンやミニストップでは「おにぎり」、ファミリーマートやデイリーヤマザキでは「おむすび」と呼ぶようです。またセブンイレブンでは、最初から海苔が巻かれているものや海苔を使っていないものは「おむすび」、食べる直前に海苔を巻くものは「おにぎり」と使い分けているようです。』 文引用~フマキラー株式会社~ という調査も見受けられます。

要するに、この3つの呼び名の使い分けに明確な定義はないということでしょうか・・。

 

しかし、これもまた一説ですが、古来 “おにぎり” には “鬼切り” の呼びがあてられ魔除けの意味を内包していたと言われており、また、三角形に握るのは角の頂点に神が宿るとの考えもあったのだそうです。 おにぎりに神様なんて、まさか?! といった感じですが、現在でも残る風習 “盛り塩” にも似た感覚だったのかもしれませんね。

最近では登場の機会も減りつつありますが、昔から庶民の弁当として定番だった “幕の内弁当” 、この “幕の内” とは元々 “おにぎり” に端を発する言葉だったようです。

元来 “幕の内” とは、そのとおり “お芝居” に関係する言葉、 江戸時代、庶民に人気の芝居小屋において、幕間に役者や裏方の人たちがササッと食べられる弁当を迅速に用意するため、木型に詰めたご飯を押しぬいて作る “即席大量生産型おにぎり” が生まれ、やがて 芝居客用の弁当にも出されるようになり、これが “幕の内” 弁当 の始まりというわけ。

時代が進むに連れ “幕の内弁当” は段々と豪華な内容になっていきますが、基本的には “押し抜き型のおにぎり” こそ主役だったのですね・・。

こうして 考えてみると “おにぎり” ひとつと言えど、その由来も含めて私たちの認識を遥かに超える歴史や意義を持ち合わせているようです。 まぁ、そりゃそうかもしれません。何せ日本人と2000年からの関わりを持つ天恵の食品なのですから・・。

「イネ=お米」にも縁深き “イナバナ.コム” 、今後も機会を得て “おにぎり” に関する話題を探してお届けしたいと思っています。 またの機会をお楽しみに・・。

 

 

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