キャッホ~な女史の展覧会は歴史の宿で – 島根県

© Ado Mizumori / 劇団未来劇場 様

『スキ!スキ!スキスキ!♪ スキ!スキ!スキスキ!♪』 随分とファンシーな歌い出しですが、覚えておられるでしょうか?

この後に『アッコちゃ~ん♪ アッコちゃ~ん♪ スキスキ~♪』 とくれば、少なくとも昭和世代にはご記憶の方も多いのではないでしょうかね。

昭和44年(1969年)から約2年近くにわたって放映されたTVアニメ『ひみつのアッコちゃん』のエンディングテーマ『アッコちゃん すきすき』です。 ポップでキュート、ちょっと人を喰ったようにも思えるトリッキーな歌詞で、当時としては割と型破りな内容の歌でしたが、明るくノリの良いリムズと合わせて子供たちのみならず大人たちの間でも話題となりました。

 

オープニングテーマ『ひみつのアッコちゃん』(歌:堀江美都子さん)がファンシーで女の子らしさを歌い上げた内容であったのに対し、極めてユニークな曲でしたが、この曲調はJAZZ(ジャズ)系の要素を下地に高度な技量と知見で作り込まれたものであり、オープニング・エンディングともども作曲は、小林亜星さんが担当しておられました。

子供でもすぐに覚え 口ずさめるライトな歌であるものの、実はこの歌を完全に歌い上げ、人々の心に届けるには相応の技量・歌唱力が求められます。 少なくともJAZZ歌唱に通じた方でなければなりません。

・・で、この時『アッコちゃん すきすき』の歌を担当されたのが「水森亜土」さん。

昭和40年代にNHKの番組「たのしいきょうしつ」で透明なアクリルボードに、歌いながら両手を使って可愛らしいイラストを描きあげてゆくスタイルで一世を風靡した彼女は、よく知られるようにイラストレーターでありながら、JAZZにも精通した歌手でもあったのです。

 

© Ado Mizumori / 劇団未来劇場 様

 

アートに造詣の深かったご両親の影響でしょうか、ハワイで生のJAZZ歌謡に触れて、歌や演劇の道に進みながら同時に絵画・イラストの方面にも類稀な才能を発揮、単にアクティブという言葉に括れないほどマルチな活動を広げられた情熱は、彼女独特のハッピーなお人柄にも溢れていますね。

2004年、ゲーム&アニメ企画に参加されボーカルを担当された「真っ赤なバラとジントニック」をご紹介しておきましょう。
この時、65歳、歌唱の衰えなど何処吹く風のグルーヴです。


”永遠の少女” ともとれる彼女のイメージであり、今尚その矜持を崩されていない亜土さんですが、実際の所 お歳もそれなりの域に達せられ、今までに積み上げられてきたものも数え切れないほどの数に・・。

亜土さんが今まで描かれ作られてきた数多の作品のうちから、初公開の未発表イラストや絵画、オリジナルグッズなどを堪能できる『キャッホ~!亜土ちゃん、ひみつの蔵出し原画展!!』が、島根県『平田本陣記念館』で開催されています。

 

出雲市立『平田本陣記念館』

島根県(当時の松江藩)江戸時代、享保20年(1735年)に建てられた松江藩の本陣(大名や旗本・役人や勅使 御用達の宿)であり、当地の豪商 本木佐(ほんきさ)家の屋敷であったものを、平成元年 現在地に移築・開館されたものです。

敷地には当時の藩主のみが出入りに使用していた「御成門」や、上座御寝所である「上の間」が当時のままに残され、侘寂の粋を讃えた京茶室「悠々庵」、玄丹流(出雲流)といわれる「日本庭園」、そして当時の ”湯殿” ”厠” などとともに、往古の風情と高位の佇まいを知る意義深い文化財施設となっています。

松江藩の歴史・風土を伝える貴重な展示物などを紹介する博物館的な役割を果たすかたわら、幾多の絵画を公民に向けて展覧する美術館としての発信も続けてきており、その中には今回の亜土さんの絵画展のような、一見アンマッチかとさえ思えるジャンルの絵画展にも積極的に融合を試み、成功を果たしてきています。

 

© 島根フィルムコミッションネットワーク 様

 

出雲市平田町の外れ、閑静な山間に囲まれた地の ”本陣記念館” で開かれるポップでファンシーな展覧会、歴史に満たされた空間でみるキュートな、そして初公開の亜土さんの作品群に貴方は何をお感じになられるでしょうか・・? ぜひ、その目でご確認ください。

最後になりますが、Wikipedia の中に次のような記述が見られます。

「カップルが唇を寄せている絵は、本当はキスをしている訳ではなくいつも微妙にずれている。それは水森が、他人が人前でイチャイチャするのを見るのがあまり好きではないからである。」

Wikipediaでの記録が全て真実という保証は無いのですが、もしこれが本当だとすると、キュート&ファンシーで知られる彼女にも、結構 保守的な面を持ち合わせているとも考えられますね・・。 こういったことも踏まえて展覧会に望まれればより面白い発見ができるかも知れません・・。

お知らせ : 姉妹サイト「昭和テロップ」の方に明日5月14日付、亜土さんに似たアクティビティの方の記事をアップ致します。宜しければ御覧ください。

 

『キャッホ~!亜土ちゃん、ひみつの蔵出し原画展!!』 公式サイト

場  所 : 「平田本陣記念館」〒691-0001 島根県出雲市平田町515番地

開 催 日 : 2021年4月23日(金)~2021年8月15日(日)

開館時間 : 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休 館 日 : 火曜休館

入 場 料 : 一般 700円(20名以上の団体100円引き)ネットクーポン 高校生以下無料 *身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、戦傷病者手帳をお持ちの方、及びその介護者(1名)は350円。

問い合わせ : TEL:0853-62-5090 FAX:0853-62-5101

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