考古学だけじゃありませんの風土記の丘 – 広島県

歴史の足跡を大切に保存し後世に伝えてゆこうという試みは あながち近世のものだけではなく、奈良時代、養老律令において “遺物(古代の陶器や銅鐸)が出土した場合は届け出よ” という布告があったようで、時代を問わず過去の文化保存に対する情熱は(限られた範囲とはいえ)存在していたようです。

しかし、過去(古代)の文化財保護の概念が本格的に勃興し始めたのは、やはり明治期以降、世界における日本国家としての体制を確立してゆく中で高まりを見せてゆきました。

そこには古の文化に対する尊厳とともに、ある大きな問題が並立しています。
つまり近代になって急速に拡大した人口居住地の増加と都市発展に伴い、新しい建物の建造や道路の敷設によって、土の下に静かに眠る古代遺跡・異物への阻害が避けて通れない問題となってきたからに他なりません。

現代から未来へと続くであろう発展を優先するのか、未来のために過去の文化を継承することを優先するのかは難しい問題ですが、文明国家である限り自らが辿ってきた歴史文化を蔑ろにすることは出来ません。

文部科学省の外局であり 日本の文化保護機関である文化庁では、これら国内の古墳や遺跡、歴史的文化財の保存・維持・公有化に取り組んできました。

『風土記の丘』は昭和41年文化庁(当時の文部省文化課 / 文化局)の “風土記の丘設置構想” に基づき計画・創設された公有施設で、その意義を “遺跡の保存と維持、国民が歴史や伝統文化に親しむ場として公開・活用” としており、創設第一号となった宮城県西都市の「西都原風土記の丘」や島根県松江市の「八雲立つ風土記の丘」をはじめとして、現在 全国16ヶ所の風土記の丘が公開されています。

その意義・成り立ちから『風土記の丘』は主に中世以前 古代における遺跡や関連物を公開しており、開催されるイベントもこれらにまつわるものが多いため、一般的な感覚としては「古代歴史の好きな人が行くところ」もしくは「のんびりした公園」的なイメージが強いのですが、近年ではより多くの人々に関心を持ってもらうべく、歴史というカテゴリーに通底しながらも より多彩なイベントを展開しているようです。

 

広島県、三次盆地に位置する『広島県立みよし風土記の丘』は 県内古墳の約3分の1にあたる4,000基余りが密集する中国地方でも有数の古墳群で、昭和54年4月に開園された「風土記の丘」です。

「浄楽寺・七ツ塚古墳群」を包括し、たたらの製鉄炉でもあった “戸の丸山製鉄遺跡” を復元しており、江戸時代の旧家 “旧真野家住宅” など歴史ファンには見どころの絶えない聖地でもありますが、「みよし風土記の丘」ではかねてより県内外からの来園者に向けて古代研究の枠に縛られない様々なイベントを開催してきました。

『 県北の貨物列車 』
みよし風土記の丘ミュージアム(歴史民俗資料館内 “風土記の丘ギャラリー”)でにおいて、10月18日(日) まで展示開催されています。

昭和の頃から広島県内山間地を主な舞台とし活躍してきた、いずれも単線路線、芸備線(げいびせん)福塩線(ふくえんせん)木次線(きすきせん)、中央と地方部を結び県境を跨いで隣町を訪ね 人々の暮らしに多大な恩恵をもたらしながらも、時代の流れとともに衰退の道を歩むローカル路線とそこを疾駆していた懐かしき貨物列車。

時に白煙をたなびかせ、時にディーゼルの匂いを残し、日々課せられた荷を運び貢献を重ねながらも、いつしか時の向こう側へと走り去っていった彼らの在りし日の勇姿、故郷の風景の中をひた走る懐かしきその姿を多数の写真画像で余すことなく伝えます。

県内出身、昭和時代を謳歌された方はもちろんのこと、列車ファンの方、昭和の風景や当時の暮らしに興味をお持ちの方にも満足いく写真展になるのではと思います。

 

『広島県立みよし風土記の丘』では、この『 県北の貨物列車 』展の後にも 10月30日から『 なつかしい暮らしの道具たち 』など、懐かしく楽しい企画を用意しています。
また 現在のコロナウイルス事情にあわせて『 おうちでチャレンジ!』 特設ページ なども開設しています。

現代の「風土記の丘」は古代マニアのものだけではありません。のどかな瀬戸内の国 広島を訪れになる際は、お立ち寄りポイントのおひとつに如何でしょうか?

 

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* 現在、先の豪雨災害によって、芸備線、福塩線 の路線の一部で運休状態が続いております。 くわしくはこちらよりご確認ください。(PDF)

 

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『 県北の貨物列車 』 当該ページ

『 広島県立みよし風土記の丘 』 広島県教育委員会

日  程 : 2020年10月18日(日)まで

場  所 : 〒729-6216 広島県三次市小田幸町122

アクセス:こちらから

駐 車 場 : 普通車 64台 大型車 8台 駐車料金は無料

問い合わせ : TEL 0824-66-2881 FAX 0824-66-3106

 

 

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