今だからこそ触れてみる新しい世界 いつか見た風景

「新型コロナウイルス」 感染拡大の報道から既に4ヶ月(発生からは5ヶ月以上) 1日あたりの感染発表者数はようやく減少してきているものの、いまだ国内感染者数は1万人を越えており(退院者減算)収束への道のりは、ようやく今が折り返し地点といったところでしょうか。
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その病害の恐ろしさもさることながら、このパンデミック(世界的大流行)が引き起こした様々な付随的問題は、経済活動はもとより人々の精神的安定性にも大きな負担と弊害をも もたらしました。 正直、「新型コロナウイルス」の言葉さえ聞きたくないのが現在 多くの人々の思いなのではないでしょうか。
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5月4日に「緊急事態宣言」の延長(一部緩和)がなされましたね。
現在、ようやく発表者数減少に転じている今、何とかして抑制しきってしまいたい病害状況と、経済的に死活の瀬戸際にある現状とのせめぎ合いの中で極めて難しい局面ですが、うかつに緩めすぎてしまい再度の感染拡大を招こうものなら、また一からの(数ヶ月にわたる)やり直しになってしまいます。
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「不要不急」の言葉の解釈や実情が人それぞれなのは致し方の無いところですが、今しばらくの間は出来るだけ外出を抑え、再拡大を招かないように努めるのが、結果的に少しでも早い社会的回復を望める道筋なのかも知れませんね。

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テレビをつけても新聞を開いても「新型コロナウイルス」のキーワードで食傷気味な昨今、自宅に籠もらざるをえない多くの人々や子どもたちに向かって、オンライン上では様々なサービスや取り組みが展開されていますが、せっかくのこの機会(と、言っていいのかどうか微妙ですが・・w)、多少の時間がある今、これまで気にかけることのなかった世界に目を向けてみるのも一興ではないでしょうか。
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「芸術」「絵画」という言葉を聞くと ”難しい” ”よくわからない” という感想を抱かれる方も少なくありません。
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文化レベル云々といったような面倒なお話ではなく、単に取り上げられる頻度が少なかったり、普段 触れ合う機会が少なかったりするのが原因かも知れませんが(後、一部にどうも特别なもの扱いしたがる人々がいますね・・)「芸術」はそれを創作する人の心情の発露であり、同時に、それを見、聴き、感じる受け手は「素晴らしい」「美しい」「あまり好みじゃない」と思うままに感じれば良いだけのことなので極めて単純なものなのですが・・
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以下の ”絵” を御覧ください
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© 内田正泰

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晴れやかな夏空を背景に古い校舎と運動場のような風景が描かれていますね。
正確にはこれは筆で描かれたものではなく指で切り破いた紙を張り合わせて作った ”貼り絵” ですが、この絵を見て「これは どこそこの場所で・・」「作者はどのような意図で・・」といちいち考える人は少ないでしょう・・
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人は日頃の癖で、どうしても目から入った情報を脳で理解するようにプロセスを進めてしまいますが、こと絵画や芸術の鑑賞にあっては ”頭で理解” する必要はほとんどないのです。
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美術館も文化施設とはいえ、運営・採算という問題があるため どうしても「ゴッホ」だとか「ルノワール」だとか名の知れた画家展を開きたがる傾向にありますし、何故か「絵画」というと「洋画」のようなイメージが大きいように感じられますが、(日本人の ”難しい” の理由のひとつには有名なピカソの「ゲルニカ」などの影響もあるのかも知れませんね・・w) この際ですから日本ならではの情緒を描いた「日本画」を意識してみてはいかがでしょうか。
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「日本画」は本来、岩絵の具や和紙を用いた伝統的な技法ですが、ここでは伝統様式にとらわれず、上でご紹介した 内田正泰(うちだまさやす)氏の貼り絵なども含めて大きな括りで “日本で活躍する(した)情緒豊かな風景を描く” 絵師さんをご紹介します。
(各画像をクリックするとGoogleの画像検索を表示します)

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東山魁夷(ひがしやま かいい)
言わずと知れた日本画家の雄、幽玄な風景世界を描くことで高名

© 東山魁夷

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川瀬巴水(かわせ はすい)
明治から昭和にかけて活躍した新・浮世絵版画師、涼やかな画風

© 川瀬巴水

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石渡 江逸(いしわた こういつ)
川瀬に師事したこともある版画家、日常の風景を情緒豊かに描いた

© 石渡江逸

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藤城清治(ふじしろ せいじ)
日本を代表する影絵作家、子供の頃の記憶を呼び覚ます方も多いはず

© 藤城清治

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内田正泰(うちだ まさやす)
手でちぎった紙の縁ならではの線で描き出す遠い日の情景

© 内田正泰

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林静一(はやし せいいち)
高名なイラストレーター・挿絵画家ですがその真髄には日本の美が流れます

© 林静一 / LOTTE

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男鹿 和雄(おが かずお)
美術監督職であり挿絵画家、「となりのトトロ」の風景画でも有名

© 男鹿和雄

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いかがでしたでしょうか、日本画 と言いながらも水彩画から版画、イラストレーションに至るまで、少々 間口を広げ過ぎたきらいがあるかも知れませんが、一貫してそこに流れるのは日本人の感覚ならではの、静かで叙情に満ち溢れた、そして 誰もがいつか遠い日に置き忘れたかのような美しさを湛えています。
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人の想いに際限が無いように美術の世界も広大無限の広さを持ち合わせています。
もしも、上のリンクなどから興味ある発見を見つけたならば、新たな日本の美を探す心の旅のきっかけとなるかも知れません。
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自粛が続き鬱々とした現状なればこそ、その中に意外な発見や新たな趣味を見つける一助になればと願う次第です。
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必ずやってくる「明けの日」まで皆で今しばらく頑張りましょう。

 

 

 

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