麒麟獅子に猩々 霊獣舞う安井宿の春まつり - 鳥取県

「令和」先日新しい元号が発表されました。国書である万葉集の序文一節になぞらえた命名で 清々しくかつ力強い名だと多くの文化人の方々からも賛辞を受けていましたが、その名の通り新しい時代が平安と活力に満ちた時代となることを願ってやみません。

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新しい時代の幕開け、新しい季節の始まり、そして古いところでは新しい治世の始まりにあたっては多くの場合神事が執り行われました。それは洋の東西を問わず神や仏への畏怖と崇敬が重きを成していた時代、その治世者の為、また 国と人民の安寧と発展を祈り行われることは今も昔も変わらぬところでしょう。
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神事にあたっては当然のことながら”神仏” に向かってその祈りが捧げられるものですが、時に”神であって神でない” もの(人のような姿をしていないもの)、いわゆる”御神体”であったり”神獣”であったり さらには元々”悪鬼” とされたものに対して祈祷が行われる場合や、それらが神事に重要な役割を果たす場合もしばしばです。

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鳥取県八頭町、八東川の畔 田中の杜に端正に佇む伊蘇乃佐只神社(いそのさきじんじゃ)
ここでこの 4月13日~14日にかけて「安井宿の春まつり」(麒麟獅子舞)が開かれます。
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この社は 神直毘神(かむなおびのかみ)と大直毘神(おおなおびのかみ)を祀る式内社ですが、以前は郷社でもあったようで その社格の如く決して規模の大きな神社ではありません。 丁度、昔話に登場するような村の外れの鎮守様と言ったような雰囲気でしょうか。
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しかし、往古には浅崎大明神と称され平安期に編纂された「日本文徳天皇実録」(にほんもんとくてんのうじつろく)にもその名を見ることの出来る極めて由緒ある神社でもあります。


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春の本格的な到来、新たな年節の豊穣と無病息災を願って行われる「安井宿の春まつり」には「麒麟獅子」そして「猩々」が登場します。
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「麒麟獅子」はその名の通り”麒麟”と”獅子” が合体したようなものと言ったところでしょうか、基本的には”獅子舞” なのですが 頭部が”麒麟” となっているため一般的な”獅子舞” とは見た目がが異なります。しかし、絢爛な趣きの頭を振りかざしながら舞い 幼少の子供を見つけてはその頭をガジガジ・・というのは”獅子舞” ならではの様相ですね。
「麒麟獅子」の舞は鳥取県や兵庫県特有の民俗芸能でもあり中には無形民俗文化財として指定されているものもあるそうです。

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もう一方のキャスト「猩々」は「麒麟獅子」の導き役として登場します。
面も衣装も全身 ”赤”で染め上げた霊獣の一種とでも言えばイメージ出来ましょうか、伊蘇乃佐只神社以外の祭でも見かける機会もありますが”赤い顔” で思い起こされる「天狗」のイメージと交錯したようなものの時折見かけられます。
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人語を解し 酒が大好物と言われる「猩々」、その性格から日本においては「能」の演目としても有名です。 多くの霊獣と同じく大陸から伝えられたものが元だと言われますが、古代中国においては ”赤” というより”黄” や ”オレンジ” といった印象だったようで、また その諸元が大陸南方における生き物とされていたことから いわゆる「オランウータン」がモデルだったとも考えられ、現代においても「オランウータン」の和名を「猩々」と呼ぶときがあるようですね。
因みに チンパンジーの和名は黒猩猩(くろしょうじょう)、ゴリラの和名は大猩猩(おおしょうじょう)だそうです。Wikipediaより

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地方の町の小さな神社で皆が寄り合い、また 少なからぬ観光の人達が集い和気あいあいと催される賑やかなお祭り、昼間は賑々しく夜は夜店が並び子供達の声が聞こえるつかの間の時・・ 郷土色豊かで子供の記憶にいつまでも残る懐かしい思い出、こういった祭がいつまでも色褪せること無く引き継がれると良いですね・・

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「安井宿の春まつり」

日  時   2019年4月13日~14日  夜宮/13日19:00~、例大祭/14日7:00~

場  所    〒680-0521 鳥取県 八頭郡 八頭町 安井宿 297

アクセス   若桜鉄道「安部駅」から徒歩15分

問い合わせ  八頭町観光協会 ホームページ
TEL.0858-72-6007

 

 

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