あの日のライスカレーをもう一度 – 岡山県

カレーライス。 どうでしょう、ラーメン・・と並んで(で、良いのかな?)どちらも純和風でないにも関わらず、ほとんど国民食といっていいほど誰もが口にするメニュー。 もちろん好きでない人もおられますが、大抵の場合 家庭の料理にも並ぶメジャーな料理ですね。

あまりお勧めはできませんが、好きな人は毎日何食 食べても飽きないほどだとか。 カレーは香辛料、ラーメンは油分・塩分を多めに含みますので、まぁ・・程々にされるのがよろしいかとは思いますが・・(^_^;)

カレーは辛口のものから甘口のものまで色々ありますが、やたら香辛料の強いものを好む方もおられますね。通常の香辛料の何倍だとか何十倍だとか・・。

子供でも食べれる中辛程度が好みの私などから見ると、アレって味分かるのかな? と思うほどですが、テレビの番組などで見る “激辛戦” など、汗はダラダラ涙目で食べてます・・w。まぁこちらの方も程々に・・。

 

子供でも食べれる・・というと何ですが、子供の口にも対応した辛さ美味しさのカレーは ある意味 “お母さんの味” であり、また “学校給食” の味でもあります。 激な辛さを求める分には物足りないかもしれませんが、そこには明治以降150年に届くカレーの歴史が息づいているのです。

“給食カレー” といえば、二日に一度のカレー食を推奨・定着させたのは、かのクラーク博士でもありました。 その発祥であるインドの料理※とは、イギリス料理を経て大きく変わりましたが、今も昔も子供から大人にまで愛される日常食なのです。 ※ インドにはカレーの元となった料理はありますが、”カレー” という名の料理は無いそうです。

ちょっと懐かしい、あの日のカレーライス、食べてみたいとは思いませんか?

 

明媚な観光地としても知られた倉敷市の北隣り、岡山県 総社市。過去の記事でもご案内しましたが、往古、備中国の国衙(政庁)が置かれた中央都市でもあり、国の行く末を占い祀る一之宮が置かれた壮麗な都でもありました。

現在は国衙の役割りも過去のものとなり、名の元となった「備中国総社宮」や聖武天皇による「備中国分寺」、ヤマト朝廷によって築かれ “桃太郎伝承” にも類する「鬼ノ城(きのじょう)」など、古風薫る景勝を抱えながらも閑静な佇まいの町となっています。

備中国分寺

温暖・少雨、穏やかな気候で住環境も良く、倉敷市や岡山市のベッドタウン的役割りも担い、中国地方でも屈指の “住みたい町” とされる その総社市から昔懐かしい『そうじゃ小学校カレー』そして『そうじゃ消防署カレー』が販売されています(レトルトタイプ)。 地域のPRとともに総社市が歩んできた昭和時代の歴史と味を知る、郷土グルメともいえるでしょうか・・。

 

レトルトカレー如きで歴史とは大層な・・と言うなかれ。
昔懐かし、それは40年以上も昔の味を、当時の栄養士(給食のおばちゃん)や関係者を探し出してまで、調整・再現された味なのです。

ご存知のとおり、味というものは あくまで感覚的なもの。明確な材料の所出やレシピが残されていない限り、そこには不安定な要素が多く正確な再現は極めて困難といえるでしょう。食材そのものも昔とはかなり味も変わっているでしょうし・・。 そして昭和40年代当時の 学校給食の事細かなレシピが今に残されているわけでもありません。

そうなれば当時関わり、味見もされていたであろう調理師に協力してもらい、関係者との試食を重ねトライ&エラーを繰り返すのが、最も完全再現に近づく方法なのでしょうね。

それも、再現→商品化されたカレーの種類、つまり小学校の数は17校! それぞれの味再現が成されたのならば、並大抵の苦労ではなかったのではないかと思います・・。

 

 

『そうじゃ小学校カレー』 シリーズ、その17校のメニューリストは以下のとおり。(総社市のホームページより引用、いずれも名称には “ライスカレー” が用いられています。)

・ 総社小学校 大き目のジャガイモやニンジン、牛肉入り。甘口。

・ 常盤小学校 大き目のジャガイモやニンジン、牛肉入り。中辛。

・ 山手小学校 大き目の玉ねぎとグリ-ンピース、豚肉入り。甘口。

・ 神在小学校 大根入り。牛肉、グリーンピースも入っています。中辛。

・ 秦小学校 鶏肉入り。みそとウスターソースが隠し味です。甘口。

・ 池田小学校 ヒラタケ、マイタケ、マッシュルームと牛肉入り。中辛。

・ 山田小学校 大豆、牛肉入り。醤油とウスターソースで味を調えており中辛。

・ 清音小学校 コーン、牛肉、グリーンピースも入っています。中辛。

・ 服部小学校 大き目ジャガイモやニンジン、グリーンピース、豚肉入り。甘口。

・ 昭和小学校 猪肉やニンニク、グリーンピースが入っています。中辛。

・ 維新小学校 牛スジ肉やカボチャ、ナスなどの夏野菜も入っています。中辛。

・ 阿曽小学校 大き目のジャガイモやニンジンが入っています。中辛。

・ 久代小学校 サツマイモやゴボウ、鶏肉が入っています。甘口。

・ 総社北小学校 トマトペーストのルーに揚げナス、牛肉が入り。中辛。

・ 三須小学校 牛肉に加え、牛スジ肉が入っています。中辛。

・ 総社中央小学校 牛肉入り、もみじをイメージした赤いルー。シリーズ中一番辛口。

・ 新本小学校 鶏肉とコーンが入り。サトウキビからできた黒糖が隠し味。中辛。

 

自分が小学生の頃は考えもせず、給食の味はおろか献立も市内共通、いやさ日本中どこも同じと勝手に思っていましたが、カレーひとつとっても これだけ学校ごとのバリエーションに富んでいたのですね。正直驚きです。

昭和40年代頃までは、各校個別に調理室を設け独自に給食を作っていたため、このような個性が生まれ根付いていたようです。ある意味、人口に対する児童数の多さも関係していたのかもしれません。40年代末の頃から合理化が進められ、以後は総合調理所(業者さん)で作られた料理が各校に配られる形へと変わっていきました・・。

総社市の懐かし地元カレーとしては、同じく昭和時代に夜勤で務めていた消防士たちが、自ら作り上げ現在まで受け継がれる『そうじゃ消防署カレー』も販売中。玉ねぎと牛すじ肉をたっぷり使い、彼らの力の源となった味わいを堪能することができます。

『小学校カレー』『消防署カレー』ともども、見た目や味だけを優先したグルメカレーではなく、そこには子供たち・消防士たちの健康と活力・満腹を考えた、昭和時代ならではの地道な想いが息づいています。

日本の家庭料理の代表ともいえるカレーライス、否、ライスカレー、この機会に味わい、思い返してみるのは如何でしょうか?

誰ですか!? グリーンピース入りはちょっと・・とか言ってる人!
お残しはいけませんよ~!?w

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2023.08.08 現在 一時的に売り切れになっている商品もあります。お早めに!

 

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