再興讃える祭りは天空城の膝元で – 福井県

異常気象・・なのか、地球全体・歴史的な自然気候の転変によるものなのか、季節の感覚も昔とは随分変わってきたように思えますね。少なくとも平成のはじめ頃までは、5月や6月に台風の心配をするなど考えられなかった事象でした。 日本も既に温帯地域ではなく、亜熱帯地域化してきていると言われますが、あながち絵空事とも言えない状況です。

ともあれ、今年の6月は久々の梅雨らしい梅雨にも感じられます。あくまで私の感覚・曖昧な記憶ですが、昭和時代の梅雨とは来る日も来る日もシトシト雨が降り続いて鬱陶しいながらも、やがて実るべき田畑へ注がれる実りの雨でもありました。 仕事や用事には不興の雨でも、ある意味 心安らぐ優しい雨であったように記憶しています。

それで言うなら現在のゲリラ豪雨や線状降水帯など、情緒もへったくれもあったものではありません。私の住んでいる地域でも先日それらの影響で大きな被害を出しました。 今の大雨はその性質まで昔のものとは異なってきています。気象庁や自治体から出される予報や警報には皆様も充分にご注意ください・・。

 

梅雨らしい梅雨・・は良いとしても、その後には また暑さみなぎる夏がやって来ます。こちらの方も・・まぁあくまで感覚ですが、近年の夏は昔に比べるとかなり “キツい” 暑さのようにも思えます。 整備されるのは結構ですが、大半の場所が舗装化されてしまったことによって照り返しもキツく、地面の保水性が下がったため “夕立” も無くなってしまいました。

今年の夏も高温傾向が予想されるとの見解も出されているため、今のうちから暑さに慣れさせた体作り、熱中症対策の用意などが必要かと思われます。 ゲリラ豪雨などと併せてご留意のほどを・・。

 

さて、暑い々々と国から便り? の夏ですが、うだってばかりでも仕方ありません。
夏から秋にかけての風物詩のひとつといえば “祭り” です。 本日は少し早めながら “若狭国” 福井県から『第56回おおの城まつり』のご案内をお送りしましょう。

“おおの城”、”大野城” は福井県東部、大野市街地の外れ “亀山” に建つ山城です。
兵庫県朝来市の竹田城や、岐阜県・郡上八幡城 などとともに “天空の城” として、近年 大きな注目を集めていますね。 当サイト記事にもしました “利神城(りかんじょう)(城跡)” と同じく、霧立ち込める日には雲海に浮かぶ幻想的な光景を見せてくれることで知られています。 * 大野城は他にも福岡県大野城市の城跡も含め同名の史跡が複数あり、それらと分けるため “越前大野城” との呼び名もあります。

築城は1580年(天正8年) 山城であることからも解るように、まだ世情安らかならぬ戦国時代の最中といえましょう。越前国に覇を築いた織田信長より大野の知行が与えられた、家臣 金森長近(かなもり ながちか)によって築城されたと伝わります。

往時の大野城は、望楼付き二層三階の大天守、二層二階の小天守・天狗櫓を本丸に頂く立派な城でした。その後、幾多の城主交代を経ながらも、江戸期を通じ大野の守護として その威風を誇りましたが、明治という近代日本への大転換期に伴い破却(解体)の道を辿ります。時勢とはいえ今から考えると勿体ない話ですね・・。(* 天守については江戸中期に焼失)

 

現・大野城の復興の契機となったのが、昭和42年、旧士族の家系である名士 “萩原 貞”氏 による浄財でした。これを資金に天守の再建計画は動き出し、着工から約一年後の 43年8月14日竣工に漕ぎつけたのです。 “萩原 貞”氏 がその竣工式典時には既に故人となっていたのが残念ですが、彼を讃える胸像が城内に建てられ今日も城の雄姿を見守っています・・。

官報掲載、再建竣工時の越前大野城

この “越前大野城” 再建を記念し、再建年である昭和43年(1968年)から毎年8月中旬に行われ、大野の夏の風物詩となっているのが『おおの城まつり』です。

奥越太鼓(オクエツダイコ)、天正年間、大野城創建時に地元の野太鼓を基軸に奉納太鼓や雨乞いの太鼓などの技法・習俗が習合し、大野の安寧・発展を祈願する勇壮な和太鼓として出来上がったものを打ち鳴らし『おおの城まつり』の皮切りとします。 果たされた城再建と 大野の未来への祈りとしては打って付けの開幕といえるでしょうか。

黄昏の空に打ち上げられる盛大な花火の祭典をバックに、「越前おおのおどり」の列が街頭を埋め、立ち並ぶ露店や山車・神輿の行列、食彩フェアなどを含む各種イベントなど、お盆の時期であることも相まって 大野の町は祭りの熱気に包まれます。 コロナ関連問題(+2019年の台風)により3年連続で中止され、昨年2022年からの再開に市民の喜びもひとしおであったはず・・。

本年2023年は8月13日(日)~16日(水)に『第56回 おおの城まつり』として開催予定。古の威風豊かな “越前大野城” への行楽と併せて、大野の町の盛り上がりにその身を委ねてみるのもいいのではないでしょうか・・?

 

最後になりましたが、越前大野城について一件追記致します。

“天空の城” との異名をとる “越前大野城”、雲海に包まれるがごとき幻想的な風景は、まこと一見に値する佇まいであり、また その風景は大野城そのものに居ては当然見ることができないため、大野城から南西1km の戌山(いぬやま)に 大野城観覧用の「天空の城展望台」も設置されています。

只、ご存じのとおり、雲海のごとき “濃霧” の発生は朝晩の気温変化などに影響され発生するため、いつでも見られるものではありません。 比較的、寒冷期である10月から4月の特定の気象条件が揃ったときに見られるそうで、大体、年に10日位の割合だそうです。

逆に言えば、これを見ることが出来れば “365分の10” の幸運に当たったようなもの。比較的寒冷期とも併せて、約30分の1 位の確率・・。試してみる価値はあるかもしれませんね。(^^♪

『おおの城まつり』 公式サイト 大野商工会議所

2023年8月13日(日)~16日(水)
8月13日(日)大花火大会、8月15日(火)・16日(水)越前おおのおどり。14日は大花火大会予備日
福井県大野市城町 界隈

『天空の城 越前大野城』 公式サイト

※ ご承知のとおり 現在 コロナウイルス感染症問題に関連して、各地の行楽地・アミューズメント施設などでは その対策を実施中です。 それらの場所へお出かけの際は事前の体調管理・マスクや消毒対策の準備を整えられた上、各施設の対策にご協力の程お願い致します。 また これらの諸問題から施設の休館やイベントの中止なども予想されますので、お出掛け直前のご確認をお勧め致します。

お願い:運営状況、イベント等ご紹介記事の詳細やご質問については各開催先へお問い合わせ下さい。当サイトは運営内容に関する変更や中止、参加によるトラブル等の責務を負えません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください