生まれる、変化する、そして進化するスポーツの未来

『野球』 ご存知のとおり日本において最もメジャーなスポーツのひとつです。
プロ競技にあっては 昭和の時代には「相撲」とその人気を二分する国民的スポーツとも言えたでしょう。 大人のみならず子供の間でも終業後に空き地で行う草野球から “少年野球” の名で運営されるチーム制の野球まで、社会全体に野球への意識が根付いていましたね。

平成以降、新たに発足した “日本プロサッカーリーグ / Jリーグ” の爆発的な人気に触発され、バスケットボールやバレーボールのプロ / セミプロ化をはじめとして 様々なスポーツが社会の前面へと踊り出し、その後 新生スポーツの台頭やパラスポーツへの注目も集まるなど、社会におけるスポーツへの認識の多角化が進んできました。

そのような影響からか「野球」への関心度も分散されたのか、往時ほどの熱量は見なくなったものの、それでも野球ファンの情熱は絶えることなく コロナ問題で揺れる中でも観客制限付きで開催されるなど、日本人にとって動かざるエンターテインメントなのでしょう。

 

アメリカでも野球はメインストリームのひとつであり、世界的にもWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開催されるなど人気のスポーツなのですが・・

意外とヨーロッパ圏では注目度が低く競技人口も高いとは言えません。(但し ヨーロッパ野球のリーグはあり、オランダ、イタリアなどは強豪国) ヨーロッパ辺りではやはりサッカーの方が一般的で、また、野球に少し似た競技 クリケット への人気が高いようですね。

『クリケット』 に関しては丁度一年程前に 『How to クリケット 佐野から発信するスポーツの未来−栃木県』 でご紹介しておりますが・・ グラウンド上で、投球されたボールをバットで打ち返す基本は野球に似ているものの、バッター後方に立てられた棒を倒してアウトを取る、状況によりバッターは打っても走らなくても良い、一試合に数日かかることもある、など かなり野球とかけ離れた部分も少なくありません。

それでも やはり「野球」と「クリケット」は、その根を同じくする “野球形態” から分化・進化したものなのだそうです。

 

そして 他方、今日ご紹介するのが 『 ラプター 』と『 オイナ 』

少々 地域として限定的ですが、それぞれ ロシア そして ルーマニア の伝統的な球技です。 人数や走行ラインなど多少の差異はあれ、基本的な形は非常に似通っており、どちらも発祥が13〜14世紀頃と考えられていることから、元は同じものが地域性に合わせ分化していったのでしょうね。

内容に関して、この二つの球技は バットでボールを打ち、それをきっかけに得点に結びつけるという流れは野球に近いものですが、守備側のピッチャーというものが存在しません。
トスバッティングのように バッターの横からソフトに放り上げられたボールを打ち飛ばし、それを合図に “走者” が駆け出します。

「ラプター」では反対側のラインまで行って帰ってくる、
「オイナ」では決められた4つのラインを走破して帰ってくる、
守備側は 走者がホームラインに戻り着くまでに、キャッチしたボールを走者に当てるかタッチすればアウトを取れるという仕組みです。

走者にボールを当てるという概念は 野球では考えられない挙動ですが、これが、野球とドッジボールを掛け合わせたような球技と言われる所以でしょう。
(一応、ボールは表面が革、内部が柔らかい素材で、野球のボールに比べ柔軟なものとなっているそうです) 20.08.21 加筆

ピッチャーが存在せず、まずは打ち飛ばすところから全ては始まるため、また 走者に球を当てて討ち取るというアクティビティあふれる内容のため、高度な技術を持たなくても取り組みやすい上に爽快感も高いことから、近年では再評価され競技人口も増加傾向にあるそうです。

 

 

日本では認知度も低い これら野球の親戚・ご先祖さまなスポーツですが、その「オイナ」の選手使節団が 2016年に来日したそうです。

その目的は(こちらはこちらで、近年 整備され勃興したばかりの)『スポーツ鬼ごっこ』との交流を計るため。

『スポーツ鬼ごっこ』 とは 伝統的な子供の遊びである “鬼ごっこ” を、現代的なスポーツのカテゴリーに合わせるべく基本はそのままに、サッカーのようなフィールドや相手陣地内のポイントサークルを設定、ルールを整え競技として確立したものです。 『スポーツ鬼ごっこ』 参考HP

合流した「オイナ」と「スポーツ鬼ごっこ」の各選手は、その日の前半と後半をそれぞれの競技にブリーフィング&プレイ、さすがアスリートらしくお互い初体験にもかかわらず、すぐに要領を得て双方の競技を楽しみ堪能していたとか・・。

片や伝統競技であっても他国で認知の低いスポーツ、片や遊びからスポーツに昇華したばかりの新スポーツ。

しかし、こうして交流や紹介の機会が増えてゆけば社会的な認知度も高まり、プレイする姿を目にする機会も増えることでしょうし、また そこから新たなものが生まれるかも知れません。

 

近年では今まで見たことのない新しいスポーツが次々とお目見えしています。

全く新しい発想から考え出されたもの、今まで遊びとされていたものから進化したもの、複数の競技やスポーツ以外のダンスやゲームと融合したもの、そのスタイルや目指すところは様々ですが、新スポーツの萌芽は時代の進展と歩を合わせるかのように次々と現れています。

伝統的に型の決まったもののように思える「野球」にしても、その起源は先史時代にまで遡り、中世に「ラウンダーズ」という名で基礎的な形が形成され、その後「タウンボール」に進化、18世紀頃に「ベースボール / 野球」に至ったそうです。※(諸説あり)

( 因みにタウンボールではバッターが打った球を野手が捕球、走者にぶつけてアウトをとるというラプター/オイナの形が残っています )

 

どのようなものも決してそのまま留まることはなく、時の流れとともに移り変わってゆくものなのかも知れません。

スポーツの世界も 先史時代、そもそもの発祥時、”遊び?” から徐々に “競うもの” となり、時代が進むとともにルールや流儀が整い高度化され ついには世界的なコンペにまで至りました。

[モノから事]と言われる時代背景もあってか、近年では初心に立ち返ったかのように “健康” と “楽しむ” 要素の強いスポーツが生まれ活況を呈しています。

10年後、100年後、世界のスポーツ事情はどうなっているのでしょうか。
考えるとワクワクが止まりませんね・・。

 

 

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