さくまる のふるさと天竜佐久間の歴史と風情 – 静岡県

さくまる ©天竜区観光協会佐久間支部

※ 誠に残念ながら新型コロナ問題に関連して このイベントは中止となり秋に順延となっています。
(3月3日時点確認) 感染拡大抑止のための処置となりますのでご了承下さい。詳細は下記リンクよりご確認下さいませ。

イベント関連記事につき2月26日掲載の「コロナウイルス関連問題に寄せて」及び3月2日掲載の「当面のリリースに関して・・コロナウイルス関連」もご一読頂けますと幸いです。
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静岡県浜松市、山間と清流に抱かれた町 佐久間町
いにしえに太平洋岸からの塩を運ぶ 遠信古道(秋葉街道)が通り、火之迦具土大神(ひのかぐつちのおおかみ)を祀る秋葉信仰の原初ともされる歴史の趣深い土地柄ですが、昭和の時代、この地を全国的に知らしめたのはやはり天竜の流れを御する佐久間ダムでしょう。
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堤高155.5m、 堤頂長293.5m、総貯水量3億2千600万ton、そして最大発電量35万kw を誇る日本屈指の巨大ダムであり、日本における近代ダム建設 そして 土木事業の ”金字塔” ともなった歴史的な施設でもあります。
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電力事情が切迫していた戦後間もない当時の日本において その設立を喫緊の課題として挙げられていたものの、極めて急峻な地形や天竜川の流量、近隣を通る国鉄飯田線の迂回など当時の技術としては その解決が著しく困難なものであり、着工を遅らせていたと言われています。
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それでも、日本が復興に向かう国策事業の一環として1953年に工事開始、当初、完成まで10年はかかると予想された工期をわずか3年で竣工させるなど、その動向は国内外の衆目を集めるところとなりながら、1956年 ついに佐久間ダムは完成しました。
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戦後復興、インフラストラクチャーの試金石ともなった佐久間ダムですが、その影には地元村民の移動と旧村落の水没、工事関係者の多大な犠牲など多くの苦しみを乗り越えた末の栄達であり、今日に続く大規模電力事業のひとつの出発点でもあったのです。

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苦難の歴史を越えて中部・西関東における電力供給の一大拠点となった佐久間ですが、以来60年に渡り秋葉の風情漂う静かな山間の町として過ごしています。
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ここに2011年、町のキャラクターとして登場したのがひょうきんな笑顔の「さくまる」

資料提供 天竜区観光協会佐久間支部 様

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その姿からも解るように天竜川をふるさととした愛らしい河童の妖怪・・というより友達ですかね、この地には古来 河童による次のような伝承が残っているようです。

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カッパのくれた目薬
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みなさんは、カッパという動物の話を聞いたことがありますか。
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カッパは昔から川の淵などに住んでいて、体は小さくても、大力があって人や、馬を川に引きこんで、しんのこをとるといつて、恐れられていました。
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昔、浦川の見龍というお医者さんの家に、あおと呼ばれている、大変力の強い馬がいました。見龍が病人の家に行く時、下男の源一があおのたづなをひき、見龍を乗せてはでかけました。
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ある夏の夕がた、源一はあおをひいて、 近くの相川へ行き、昼の汗を流してやっていました。
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力は強くても、おとなしいあおは、心地よさそうにじっとしていましたが、何におどろいたのか、急にあばれ出し、源一がとめるのもきかず、川の中で ひとしきりあばれると、たづなをふり切って、逃げて行ってしまいました。
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「おーい!あお 待て!おーい。・・・」
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いくら呼んでもあおは帰ってきません。源一が息をきらして後を追ってき ますと、あおは家に帰って、先ほどのあばれたことなごを忘れたように、おとなしく庭に立っていました。
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「あおよ!どうしたのだ急にあばれくさって・・・」
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そういいながら、しっぼの方を見ると、なんとカツパがしがみついて、ブ ルブルどふるえているではありませんか。
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「あれ!。カツパめこんなところにしがみつきおって・・・さては、あお を淵へ引きこもうどしたんだな。よし、ひとつこらしめてやろう。」
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そういって、カッパをつかまえ、庭の柿の木にしばりつけました。
カツパは馬を淵に引きずりこもうとした時、ぎゃくに馬に引き出されて、頭のさら の水がこばれたため、力が出なくなったのでした。
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このさわぎを聞きつけて、お医者さんはじめ近所の人たちみんながめずらしがって、カツパのまわりに集まってきました。
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「このごろ釣ったあゆをぬすんだり、泳いでいる子どもたちの足を引っぱ ったりする、いたずらカッパはこいつにちがいない。」
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「そうだ。こんな悪いことをするカツパは殺してしまえ!」
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わいわいがやがやと、みんな日の暮れるのも忘れて、カッパをどうしょう かと話し合っていました。
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からだをしばられて、しばらくはめずらしそうにあたりのようすをうかが っていたカツパも、今は逃げることもどうすることもできないとわかると、がっくりと肩を落とし、目からなみだをポロポロ流しはじめました。
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「わたしが悪うございました。もう悪いことはぜったいしませんから、許してください。そのかわりによくきく目薬の作り方を教えますから。」
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それを聞くと、見龍は、
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「源一や、あれほどいっしょうけんめい頼んでいるのだから許してやれ。それに目薬を教えてくれるなら、人助けにもなるのだから・・・」
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源一は不満そうでしたが、主人のいいつけなのでしぶしぶなわをほどいてやりました。
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するとカツパはピョコンと頭を下げると、チョコチョコと見龍 の近くまでいって、
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「ありがとうございました。このご恩は決して忘れません。お礼に目薬の作り方をお教えします。」
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それだけいうと、川の方へ向かってかけていきました。
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あくる日、見龍の家で源一が玄関の戶を開けると、そこには目薬の作り方を書いた、さといもの葉っぱがおいてありました。
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見龍は、それでさっそく目薬を作り、目の悪い人にためしたところ、大変良くきいたので、「白梅散」という名まえをつけて売り出しました。
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この薬は、大正のはじめころまで、売り出されていましたが、「カッパの 目ぐすり」ともいわれて、目の悪い人々のために、たいそう役立ったそうです。

– – – – – - 佐久間町 の民話より 原文ママ

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このお話のように「さくまる」も いつも肩から目薬の入ったビンを下げて、あちらの街角、こちらのイベントと毎日元気に愛嬌をふりまいています。
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佐久間町をPRする特使として活躍するだけでなく、河童本来のひょうきんな性格で地元の自然と人々との触れ合いをアクティブに楽しんでいるのかもしれませんね。

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悠久の山々と天竜の流れに守られた佐久間の町、上でご紹介した佐久間ダムの他にも、秋葉山山頂の上社、気田川沿いの下社からなる秋葉信仰総本山たる「秋葉山本宮秋葉神社」、神秘の滝「竜王権現」や「機織淵」など歴史に彩られた見どころは沢山あります。

秋葉山本宮秋葉神社 下社本殿

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又、3月22日(日)には「佐久間ダム 竜神 春の舞」の名でお祭りイベントが開催予定です。
初春華やぎはじめる季節、一服の清涼と「さくまる」の笑顔を見つけにお出かけになられては如何でしょうか。

 

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「佐久間ダム 竜神 春の舞」
天竜区観光協会佐久間支部 サイト
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問い合わせ : TEL 053-965-1651 09:00~16:00
.     天竜区観光協会佐久間支部

 

*3月3日 更新

 

 

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