大歳を迎えて

大歳 / 大年(おおとし) とは 年の変わり目、いわゆる大晦日の晩のこと・・。
今年も残すところあと一日、明日は12月31日 大歳 / 大晦日を迎えます。

昨年 2020年から2年間を越えて続くコロナウイルスの問題・影響に、日本も世界も さすがに疲労の色を隠せません。

早期の入国制限が功を奏したのか、国内においてはまだオミクロン株の拡大も比較的抑えられ、総体の感染者数も横ばいの状態が続いていますが、海外では感染の悪化が続いている国も少なくなく、国内外通して まだまだ予断の許さない状況といったところでしょうか。

とは申せ、第2波、第3波と翻弄された昨年から今年前半と異なり、(ブレークスルー感染はあるものの)ワクチンの摂取率も上がり、ウイルスに対する科学的知見も積み重ねられてきたことから、少しずつながらも収束の糸口に向かっているのも事実です。

来年の大晦日には過ぎし日の厄災として語られていることを願って止みません。

 

大歳 / 年越し に関わる民話といえば「笠地蔵」が有名・・というか、定番として語られますね。 雪深い山村で慎ましやかに暮らす老夫婦、年越しの費用を稼ごうと手作りの笠を里に売りに出掛けたお爺さんが・・という善行と報恩のお話です。

シンプルで読後の清涼感が好ましいおとぎ話であり、年の締め括りと新しい年への希望を思わせる傑作ですが、この話の他にも大歳に関わる民話・昔話は多数存在します。

その中でも本日は、今となっては懐かしいテレビアニメ「まんが 日本昔ばなし」でも放送された『大歳の火』を動画でご案内し、本年の記事終いとさせていただこうと思います。

話の構成・展開は「笠地蔵」ほど上手くなく、オチに至っても若干スムースさに欠けますが、昔日の人々の暮らし、その中でも女性に課された重荷や、それでも懸命に責を果たそうとする妻の苦労を巧妙に描いています。

 

『大歳の火』

 

「種火を消してはならぬ・・」というのは、一度消してしまうと付け直すのが大変・・という現実的問題よりも、おそらく宗教的・信条的な理由からでしょうか・・。 何にせよ任された者は大変です。

一連の嫁の行いを、責務の完遂と見るか 失敗の誤魔化しと見るかは人それぞれですが、大晦日の深夜、暗闇の野辺で踊る鬼面の者に声をかけるなど余程切羽詰まった状況、”親” の言いつけを絶対として選んだ嫁の心情では、我が身を賭してでも その道を選ぶほか無かったのかもしれません。

何にせよ、一転 末広がりの結末で良かったです。

 

人が生きていく上で、突然の災難や日々の悩み事など生きることが辛く虚しくなることは幾度もあります。 それは人々が集い作られる社会全体でも同じように起こります。

その度に迷い苦しみながらも、最善と思われる選択を繰り返して その問題を乗り越え、人は生きていかなければなりません。 全てを捨てて “回避” という選択も あながち否定はしませんが、多くの場合 前進の機会は半減してしまいます・・。

頭を使い、心を砕いて、たとえ その時は間違った選択であったとしても、人の想いに沿った苦心を積み重ねて、人も社会も前に進んでゆくのでしょう。

勿体ぶった偉そうな文を並べてしまいましたが、要するに皆で心穏やかに年を越し、迎える新年をより良い年になるよう頑張っていきましょう!・・ということです。 まずは健康!元気が一番ですね・・(^^)

良いお年をお迎え下さい。 本年も一年 イナバナ.コムをご贔屓いただき有難うございました。 m(__)m ROCKZOU

 

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