真偽の間から生れる話は古のみならず(ニ)

貉(むじな)が寺の方丈(和尚さん)を食い殺し、化けて方丈に成りすます・・。 冷静に見ると何とも残酷な筋立てで、ホラーな面影さえ漂う前回のお話でしたが・・、民話に詳しい方なら、このお話の元と思しき話をご存知でしょう。 「白

虹のごとく広がる謎と感慨「狐の嫁入り」

天気も良くてうららかな日和・・。 師走を迎えた今、ちょっと季節外れな書き出しかもしれませんが、まぁ、まだそんな日が一日や二日残っているかも・・ということでご勘弁ください。晴天でないと話が始まらないのです・・(^_^;)

いつしか色は潰え‥能に見る色即是空(前)- 京都府

色即是空空即是色 しきそくぜくう くうそくぜしき 大仰な書き出しで恐縮です・・・ 大乗仏教の真髄を説いたと言われ、かの玄奘三蔵(西遊記のモデル)にも関わる般若心経の一節であり、ご存知の方も多いかと思います。 無知な私の書

天賦の才も専心を重ねて後世に輝く(後)- 山口県

京都府の北端、日本海側に接する宮津市、この一角に「天橋立雪舟観展望休憩所」という名の好楽施設があります。 宮津湾を通して日本三景のひとつ「天橋立」を見晴らす位置に開かれています。 “雪舟観(せっしゅうかん)&

八乙女に導かれし皇子 そして修験の頂(前)

庄内平野を見下ろしその彼方に日本海を望む気高き山、出羽三山。 往古「いでは」とも呼ばれた秋田から山形にかかる東北の地、その出羽国を東西に分かつようにそびえるこの山が修験の本山となった その始めには一人の皇子の物語がありま