深淵から覗かれるのか?深海のミステリー展 – 茨城県

半月程前、7月中旬の事、 世界的に有名なアメリカ スミソニアン自然史博物館*に所属する研究者が「99.5% の光を吸収してしまう深海魚」を発見したと発表し、動物学や自然科学の分野に大きな衝撃を与えました。

ご存知のとおり、人をはじめとして眼球を持つ多くの生物は 物体から放たれた光や反射光を目で捉えてその形や色を識別しています。 目の前に置いてあるコーヒーカップも窓を通して入ってきた太陽光や室内の蛍光灯の光が、カップにあたり反射したものを見てコーヒーカップと認識しているのです。

ところが、「ウルトラブラックフィッシュ」とも呼ばれるこの深海魚のように、自らにあたった光の 99.5% 要するにほぼ全てを吸収してしまうと、外見からは真っ黒にしか見えません。

いわゆるステルス(隠密)的な迷彩効果であろうものの、そもそも光の届きにくい深海で、また 光が届く深度であれば余計に目立ってしまう ”真っ黒” 効果になぜ進化したのか多くの科学者の頭を悩ませているそうですが、普段、人間の生活とは隔絶された世界「深海」独特の奇矯な進化の結果なのでしょうか。

*正式には「国立自然史博物館(National Museum of Natural History)」 スミソニアン博物館は、科学から自然、芸術まで多岐にわたる博物館・教育関連機関 群をまとめた総称で、単一のスミソニアン博物館というものが存在するわけではありません。

 

深海の生物として 他によく知られるものとして「ダイオウイカ」がありますね。
2012年7月には小笠原沖 水深630mの深海域で、生きたダイオウイカの生態をNHKが世界で初めて撮影に成功したことでも話題になりました。

世界最大級の無脊椎動物・頭足類であり、最も大きいもので体長18メートル(高さ5~6階の建物と同程度)に達し、眼球の大きさは30センチほどにもなるそうです。
想像するだけでも恐ろしい・・ 普通 ありえませんが、自分が海を泳いでいて近くにこんなものが現れようものなら、捕まる前にショック死してしまうでしょうね(苦笑

他にも深海には上のウルトラブラックフィッシュと真逆の戦略?で ほぼ無色透明なホヤの仲間「サルパ」 身体の7割方は黒く頭部のみ無色透明のドームで中に真上を視認可能な目のある「デメニギス」 もう悪魔の造形としか思えないような その名も「ファンフィン・シーデビル」など、過酷な環境ならではの特異な進化を遂げた異界の生物たちの世界。 奇怪だけど胸ワクワク?のワンダーランドといったところでしょうか。

 

左上ウルトラブラックフィッシュは画像調整で表示

 

茨城県坂東市、菅生沼もほど近い「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」で「深海ミステリー2020 – ダイオウイカがみる世界 -」が開催中です。

深海ミステリーなどというイベントから水族館をイメージしてしまいますが、要綱ポリシーに “茨城の風土に根ざした自然に関する総合的な社会教育機関” を掲げ、天体、生命、環境に関わる自然科学を網羅し、古代から現在そして未来へとつなぐ見識を持つ博物館として、茨城県のみならず関東地域を代表する文化施設のひとつとなっています。

5つの展示ホールとビジュアルホール、東京ドーム3個分の屋外エリアでは広場・公園だけでなく、園芸や化石の採掘体験も可能だそうです。
またこの屋外エリアから菅生沼にかかる「菅生沼ふれあい橋」を渡って対岸の自然公園「水海道あすなろの里」へ行くことも出来るそうです。

 

「深海ミステリー2020 – ダイオウイカがみる世界 -」では、その名のとおり、深く陽光から隔たった人智の及ばぬ世界で繰り広げられる深海生物の生態が紹介されています。

見どころは何と言っても「ダイオウイカから深海魚まで大型の深海生物を一挙公開!」でしょう。 上でも書きましたが、人が普段実際に目にすることのない世界、光さえ満足に行き渡らない世界の中で、特異な進化形態を駆使して生きてきた彼らのリアルな姿を間近にするのは希少な機会です。

そこには、本やインターネット画像でしか見たことのない異形で、そして純粋に生きることを突き詰めた彼らの姿と生態が広がるのです。

「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」は哲学者 フリードリヒ・ニーチェの言葉・・

漫画やSF映画で登場する “異世界” に勝るとも劣らない、実在する不思議な日常を知る貴重なイベントのご紹介、貴方は体感する興味、そして勇気は有りますか?

 

 

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「深海ミステリー2020 – ダイオウイカがみる世界 -」 公式サイト

「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」 公式サイト

日  程 : 2020年7月18日(土)~2020年10月4日(日)
.     ※7月18日(土)は,午後1時からの公開

場  所 : 〒306-0622 茨城県坂東市大崎700

アクセス : こちらから

備  考 : 来場及び入場制限の可能性あり

問い合わせ : TEL.0297(38)2000 FAX.0297(38)1999

 

 

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