本日は元々別の記事を掲載するはずでしたが、予定を変更して「クマ遭遇AI予想マップ」のお知らせを申し上げたいと思います。
今更ながらの内容で恐縮ですが、昨今の熊による事件の頻発には被害者諸氏に対する哀悼の意とともに、大きな不安を抱くものであることはご承知のとおりかと思います。
元来その原因のひとつには人間によるものも多いとはいえ、通常出没することのない町中にまで脅威が及ぶに連れ、最早 誰にあっても看過できない問題となってきています。
現時点では関東以北、東北地方や北海道での事件が主となっていますが、中部・西日本地域においても熊の目撃情報は後を絶ちません。 気象変化や生息域現象など今後の状況によっては、事案の発生地域拡大は充分に考えられるでしょう・・。
先日NHKのニュースでも取り上げられたのでご存知の方も多いかもしれませんが、上智大学・深澤研究室によって開発された『クマ遭遇AI予想マップ / Bear AI Prediction Map』がインターネット上で公開されています。
都道府県ごとの熊目撃情報を元に以後の出没予想を図るというもので、北海道は札幌市、東北各地はもちろん北関東・関東各県、北陸、岐阜、京都まで、現在18地域のマップに “熊との遭遇確立” が “非常に高い” から “低い” まで5段階別に表示されます。
『クマ遭遇AI予想マップ / Bear AI Prediction Map』
単なる目撃情報の拡張版ではなく、地形や標高などの地域データ、エサや樹木などの自然環境など膨大なデータを加味し、そこに人口分布などの情報を掛け合わせた上で、大規模かつ柔軟な計算に秀でたAIを駆使することで、熊との遭遇リスクを予想しています。
ニュースによると、実際にこれまでの検証では秋田県湯沢での事件など、結果的にAI予想が的中した事例もあるようで、今後の対策における有力な手段ともなり得るのではないでしょうか。
また、秋田県においては県が開発運用する「クマダス / ツキノワグマ等情報マップシステム」も公開されています。
主に県民を対象にリアルタイムで目撃・出没情報を提供するものですが、一般に向けても公開されています。 秋田県エリアにおいてはこれらのシステムも有力な対策手段のひとつともいえるでしょう。
無論、相手は生き物であり予測不可能な行動をとることは充分に予想されますので、これらの情報だけで全ての遭遇リスクを回避できるわけではないとは思いますが、ひとつの指針として活用していただけたらと思います。
また、SNSなど一部の個人的な発信情報の中には、熊に対する誤った情報やデマなども少なからず見受けられるそうで、出来る限り正確な情報を習得することも大事でしょう。
「クマに関するフェイク拡散 クマ鈴の効果は?メガソーラーは?」NHKニュース
極論かもしれませんが、人間は存在するだけで自然に対して迷惑をかけるもの。 熊被害のみならず様々に起こる自然災害の多くが人間とその社会活動に因するものでもありましょう。 熊は本来は大人しい気質の動物であり無闇に人前に出てくるものではないともいわれます。
とはいえ自らがその驚異に晒されたとき、思索に耽っている余裕はありません。 一度 人間の町やその近隣を猟場と認識した獣がそこに執着するのもまた事実でしょう。
イナバナ.コムでは自然豊かな場所での行楽情報も掲載する関係上、これらの事件・事故のニュースも あながち対岸の火事とも思えません。
楽しく朗らかなはずの観光が悲痛なものに変わってしまっては後悔で済まされないものでもあります。 山間地、またそれらの近隣地域にお出掛けの際は、確かな見識と事前の確認を充分に携えられた上、安全にお楽しみください。



