結構な天神社に壮観美麗の藤まつり – 東京都

天気予報では今日は晴天のはずだったのに・・ 雨降ってるやん・・。(4月2日)
3月19日に東京で雹が降り・・かと思えば、その5日後には桜の開花宣言と何やら分かったような分からないような気候の目まぐるしい変化。

3月19日にXに投稿されていたとされる「雹で作ったアヒル」

私の住む近畿地方でも、つい先日は衣替えを進めるほど暖かく夜の寝具も薄いものに変えたのですが、3日も経たないうちにまた最低気温が5℃を割り込むなど仕舞い込んだ毛布を引っ張り出すはめに・・。どうなっているのだか・・。

ともあれ、この記事が載る頃には桜も満開から散りはじめの所が多いのでしょうか。当然ながら入学式などが押し詰まっているシーズン。 緩やかな風に舞い散る桜の花びら、新一年生の緊張と驚きが半々に混ざった笑顔。叶うならば爽やかで暖かい天気が続いてほしいものです・・。

4月も後半ともなる頃には桜の季節もエピローグへと向かいます。 社会が慌ただしく動き出してゆく中、桜と入れ替わるようにその美しい姿を花開かせるのが「藤」。

東京都、隅田川と荒川に挟まれ古くの下町情緒さえも残す江東区の一角『亀戸天神社』でも、この5日から『藤まつり』が始まっています。

 

今から380年ほど昔、正保3年。九州太宰府天満宮において。


天神と崇められた菅原道真公の末裔であり、天満宮の神職であった “菅原信祐(すがわらのぶすけ・しんゆう)” は、ある日 神託を授かりました。

~ かふたちて さかふる梅の 若枝かな ~

“かふたち” とは “株立ち” のことであり、太宰府天満宮という一個の大株から枝葉を伸ばすように、この地より出て全国に “梅”(天神信仰)の恩寵を広めよ・・。というお告げです。

飛び梅の木を用いて天神さまの像を刻んだ信祐公は、それを背負い全国行脚の旅に出立しました。 その道程は10数年、岡崎、日光、盛岡など10ヶ所にも及んだのだとか・・。

そして江戸、本所の亀戸村に至ったとき里の片隅にあった祠を当地の坐所と見定め、ここに天神像を祀ったのだそうです。

 

信祐公が入府する少し前、江戸は歴史に語られる “明暦の大火” に見舞われていました。
隅田川のお陰で類焼被害の少なかった本所など対岸地域に、復興の拠点を置いていた幕府。当時の将軍であり天神信仰に厚く崇敬を寄せていた徳川家綱は、亀戸に勧請された天神社に社地を寄進し、江戸復興のための鎮守・拠り所としたのでした。

そしてその数年後、町に賑わいが戻るのと歩を合わせるかのように、そして大宰府天満宮の佇まいに寄せるかのように、新たな社殿や池、太鼓橋などを造営し、以来350年に続く『亀戸天神社』の礎が築かれたのです・・。

普段使われる話し言葉に “結構(けっこう)” という言葉がありますね。 “とても良いこと” の意味と同時に、断る時に使われたりもしますが、”結構” とは元々 “整っていて欠けた点がない様” や、そのような造りに配置される様を表します。

九州太宰府天満宮の完成された佇まいを江戸に再現した社殿・社叢はまさに “結構なる造営” であり、西の天満宮に対して亀戸天神社は古くより「東宰府天満宮」とも呼ばれていたのもその証左といえましょう・・。

 

さて、その亀戸天神社で行われる「藤まつり」。 例年、期日の調整をしながら開催されますが、本年2025年は4月5日(土)から30日(水)開宴の運びとなりました。

古くから江戸一番とも謳われた藤の名所として、今日に至るまで多くの人を魅了してきたことはご承知のところでしょう。

天神社である事から縁でもある「梅まつり」も2月に、そして10~11月には「菊まつり」も催されますが、境内を彩る壮麗な藤の美しさはまた別格。

50株以上にも及ぶ藤の花々。 普通、藤棚は見上げる物ですが、ここ亀戸天神社では境内中央を渡る太鼓橋からは、一面に広がる藤棚を上面から見渡す事が出来るのも特徴のひとつ。 また 日没後はそれらの藤棚がライトアップされ、夕闇に映し出される薄紫の光は見る人を幽玄の世界へ誘います。ぜひとも一度経験してみたいものですね。

期間中、社内外に立ち並ぶ数多くの屋台も訪れる参拝客の楽しみの一つ。天神前に本店を構える老舗くず餅「船橋屋」も、この日にあわせて「食べ歩きカップくず餅(藤)」「天神藤あんみつ」「藤のおしるこ」などの特別メニューを提供するそうです。

古の面影残す下町情緒を感じながら、春の日のお出かけとしてリストアップにお加えください・・。

『亀戸天神社』公式サイト

場  所:東京都江東区亀戸3丁目6番1号
祭事日程:2025年4月05日(土)~4月30日(水)

亀戸天神社からの注意:「※毎年気候等により大幅に見頃がずれる場合がございます。事前にお電話もしくは⻲戶天神社 公式インスタグラムにてご確認いただくことをお奨めいたします。」

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