ところによっては平年の3倍からの積雪など、厳しい寒さが続く今年の冬ですが、お住まいの地域ではいかがでしょうか?
昨年末における当年の気候予想では、冬場は相応の寒さながら早めの気温上昇を迎えることになるとのことでした。 この記事が掲載される頃もまだ寒冷の最中でしょうが、少しずつでも春の息吹が感じられると良いですね・・。
澄んだ冷気に満ちて空高い北海道。帯広の地で今年も市主催の『ばんえい競馬』が始まります。
『ばんえい競馬』(ばんえい競争)。 一般的なオーバルコースでスピードを競う公営競馬と異なり、「ばんえい競馬」は途中に障害セクションを設置した直線コースを “ばん馬(ばんえい馬)” と呼ばれる農耕馬によって競われるレース競技です。
日本では唯一、世界的に見ても珍しい形態の競馬であり、近年ではその珍しさのみならず土砂を蹴散らし疾駆する躍動感からか、ファンの増加にも目を見張るものがあるそうです。
スピードスターではない競馬として、カナダの「Horse Pull」やヨーロッパの「Horse Sledding Race」などがありますが、それらともかなり異なる形といえるでしょうか。
ばんえいとは “輓曳” と書き、荷車などを曳く(ひく)事をいいます。重たい荷物を運んだり農具を曳いて作業をこなしてゆく農耕馬だったわけですね。
それだけに “ばん馬” は非常にたくましい体格を持っています。
北海道の馬と言えばいわゆる “道産子” が有名ですが、 “ばん馬” は “道産子” とは種から異なる馬だそうで、外見的にも体格の大きさは特徴的です。 驚くべき事に800~1100kgと一般競走馬のサラブレッドのほぼ倍に及ぶにも関わらず、体高は同程度と言う事からも如何に筋肉質で剛重な馬である事が伺えます。
競技そのものも一般の競馬とは一味も二味も異なります。
途中2箇所の台形の小山という障害物を置いた直線200mのコースを駆け抜けますが、まず騎手は直接馬に騎乗する事はなく馬が曳く鉄製のそりに搭乗して手綱を引きます。
騎手以外にウェイトを載せたそりは総重量最大1トン近くにもなる事も有るそうで、最終的なゴール到達順位が勝敗を分けるのは一般競走と同じものの、スピード感と言うよりは、膨大な荷を曳ききるダイナミズムと、小山を越えるタイミングや人馬一体の息の合わせ方などが一番の見どころでしょうか。
さらに、上記の息合わせの為に競技中に歩を止めたりする駆け引き的な技術もハイライトのひとつ。
又、一般競馬が鼻先でその勝敗を決するのと異なり、荷曳き競技の性格から荷そりの最後端がゴールの判定となる事なども興味深い違いといえましょう・・。
元々のルーツを訪ねれば北海道開拓時代の入植民による催事、余興で馬の力比べとも言われる「ばんえい競争」。
全盛期には旭川、岩見沢、北見、帯広と4市で開催されていたもののその趨勢が衰え2000年代初頭には相次いで閉鎖。 一時は “ばんえい” そのものの存続が危ぶまれる中、結果的に ここ帯広一ヶ所での開催が続けられました。
しかし、官民一体となった各位の努力の甲斐あって今では地元民のみならず全国的にも知名度が上昇し、海外からも熱心なファンが集まるほどのイベントとなりました。 馬券の売上げもここ11年連続で上昇し続けているそうです。
上でも書きましたが、世界的にも稀有な存在の文化ですので末永く続いてほしいものですね・・。
本年度は年間通して149日の開催予定、ナイター競走も数十日間含まれます。
熱さを増す「ばんえい競馬」地元共々益々の発展が期待されますね。 北海道、帯広方面に行かれる機会がある方はぜひ!
開催地 : 北海道 帯広市 西13条南9丁目 帯広競馬場