『メタセコイア』という言葉を聞いて何を思い出されますか?
初めて聞いた・・という方も居られるかもしれませんが、”大きく育つ針葉樹” と返答される方も多いかと思います。
そのとおり、私もメタセコイアと聞いて “確か北米などで巨木として語られる木” という印象がありました。 後、”チョコレートで そんな名前の商品があったな” という記憶です(^_^;)。
調べてみると “セコイア” ではなく「セコイヤチョコレート」。フルタ製菓により1976年(昭和51年)に販売されたお菓子、針葉樹の木目を模した仕上げが特徴的でした。 今でも売ってるのかな? と見れば絶賛販売継続中! 50年近くにわたって売られているのですね。これは久しぶりに食べてみなければ・・ということで “見つけたら買ってきて” とカミさんに頼みました・・。(自分で行けよw)
閑話休題、話を戻して・・。 メタセコイア、上記の北米などにおける事象や “メタ:Meta:次代の、変化した” の銘を冠していることから巨木のイメージを抱きやすいのですが・・。彼の地において話題となるものは「セコイア」単名のものであり、「メタセコイア」とはやや別種。そこまで大きくはならないそうです。
一般的には10~20m位の樹高長、幹直径30~80cm程度、大きなものでは50m/2.5m程だそうで(これでも相当大きいですが・・)。これは同族ヒノキ科の “ヒノキ” や “スギ” と同程度の成長度といえるでしょう。(因みに北米やカナダなどの “セコイア” は100m/4.5mにも達するのだとか)
“ヒノキ” や “スギ” そして “セコイヤ” とも異なる点として、メタセコイアは “落葉針葉樹” であること。 他が年間を通して葉を付けている “常緑針葉樹” に対して、メタセコイアは気温の低下する秋口から赤褐色に色づき始め、冬の到来とともに落葉します。
“ヒノキ” や “スギ” などが樹体内部に不凍液のような物質を持っていて、その作用で導管の凍結・破裂を防いでいるのですが、メタセコイアにはそういった物質がないため、葉を落とし水の吸い上げを低下させることによって凍結を回避しているのだそうです。
いうなればメタセコイアは “紅葉する針葉樹” であり、これからの季節、一面オレンジ色に染まる独特な風合いも見どころな大樹なのです。
滋賀県北西部の高島市、マキノ高原に続く『メタセコイア並木』が色づく季節を迎えつつあります。
高島市は琵琶湖沿岸を除いて山間が多く、古くから木材産出で知られた地域でもありました。緑豊か清水流れるこの地を拓いて創られたのが『高島市 農業公園マキノピックランド』、そしてレジャーパークでもある『マキノ高原』。
『メタセコイア並木』は これらピックランドと高原をつなぎながらマキノ町(まきのちょう)を縦貫する並木道。地元をはじめ多くのファンを持つ景勝道路なのです。
全長約2.4km、植樹数500本のメタセコイアは1981年(昭和56年)農業育成地の整備の一環として植栽され、防風林としての役割りも見込まれていました。 当初2mの苗木で植えられた木々は生育の早さも手伝って現在25mにまで達しているのだとか。
樹形の美しいメタセコイア、真っ直ぐに天を突き傘型に葉を繁らせ立ち並ぶその景観は、まるで映画か気の利いたCMの一場面を見ているかのよう・・。
新緑にむせぶ春、黃から紅へと色変わりの秋、そして白銀をまとった冬。 メタセコイア並木は季節ごとの佇まいで、マキノを訪れる人々を優しく包み込んでくれるでしょう・・。
今年は気温の高い日が続いていますが、11月の下旬頃からが紅葉の見頃と予想されています。 ヨーロッパの山村を思わせるかのような『メタセコイア並木』、その目でお確かめください。
メタセコイア並木 途中にある『高島市 農業公園マキノピックランド』は、季節の美味溢れる “果物狩り” をメインに、 “観光農場 馬の森” や “地産食材のレストラン・カフェ” ちょっとリッチな “グランピングハウス” など、自然の中で一日中楽しめる体験型施設となっています。
ご家族連れから恋人同士まで(もちろんお一人様でも^^)心に残る秋の日の1ページを残すことができるのではないでしょうか。
そして、メタセコイア並木終点から道なりに行くと(北方向)、程なく現れる[←マキノ高原]の交通標識。 案内に従って斜め左に登ったところが3シーズンはキャンプ場、冬季はスキー場として機能する『マキノ高原』。
テニスコートやグラウンドゴルフなどの運動施設からレンタサイクルなど、体を動かすにはこれからの季節はうってつけ。 軽く汗をかいたらプールやジャグジー、露天風呂まで持つ『マキノ高原 温泉さらさ』は外せないリラクゼーション・ポイントでしょう。
高島の町を見晴らす高原や農業公園で過ごす秋の一日、その自然郷へいざなう秀美の並木道。 行楽プランの一端にお加えください。
※ 「メタセコイア並木」は近隣住民の生活用途や農業道路としても機能しています。 観光で通行される折には停車や撮影時などご注意ください。
最後に高島市に伝わる民話がありましたので、動画形式でご紹介しておきます。
上でも触れましたが、高島の山々は古来 京への木材供出地でもありました。伐採した木を組んだ筏で安曇川(あどがわ)を下って運び続けたのです。
物語の主人公 “シコブチ” さんは筏師として登場、よくある悪戯河童を相手にします。 ”思古渕”、”志古淵” とも表記され “筏流しの守護神” として祀られる土着の信仰でもあります。
“七シコブチ” とも呼ばれる地元七社の神社があり、どれも往古幽玄の佇まいを備えた社に見受けます。 高島市・マキノをご訪問の際には、これらの社を探されるのも楽しみのひとつかもしれませんね・・。