かがみのさとのかみめぐり – 高知県

秋の彼岸を越えて ようやく、ほんの少しだけ暑さも和らぎました・・かね・・(^_^;)。 今年の暑さは尋常でなく、10月の気温も平年以上と予想されているので、まだしばらくの間 暑さ対策にご留意ください。

如何に晴天とはいえ焼け付くような暑さでは外に出るのも一苦労、・・ですが、それが少しばかり涼しくなると行楽の楽しさを思い浮かべるのも また人情というもの。 後2〜3週間も経てば気温も多少下がってくるでしょう。そろそろ秋の予定を考えてみるのも良いかもしれませんね・・。

 

高知県北東部に位置する香美市(かみし)。平成18年(2006年)3月、香美郡香北町・土佐山田町・物部村が合併して新設されました。緑に囲まれた閑静な町、高知県にあっては唯一海に面していない自治体となっています。

この香美市ならではの自然や風土を活かした多彩な体験型イベント、『かみめぐり』後期プログラムが募集されていますのでご案内させていただきます。

と、その前に香美市について少しばかり・・。

3つの自治体合併により生まれた新市と書きましたが、新市名からも伺えるように旧来 当地域の多くの部分を旧・香美郡が占めていました。

香美郡、現代的には “かみぐん” と読みますが古くは “かみのごおり” であり、さらに往古では “香我美郡 / かがみのごおり” であったそうです。 現在、香南市(香美市の南に隣接)の一部となった旧・香我美町にもその名が残っていました。

 


“香我美” その読み名から連想されるもの。つまり当地は古くから “鏡” にまつわる場所であったということが分かりますね。

知られるように古代 鏡は貴重な生産品であるとともに、祭祀に関わる非常に格式高い神器でもありました。 これを扱う者は王権内でも重要な役割と地位を持っていたのです。

 

政治の中心であった機内から、些か離れた土佐国の一地方に “鏡” の名をもたらしたのは誰だったのでしょう。

その一族は “物部氏”。皇祖 神武天皇の時代から王に仕えてきたといわれる有力氏族であり、軍務をはじめ鉄器の製造、儀礼・呪術の職掌も担っていたと伝わります。

ヤマト王権が成立する以前の紀伊半島北部の先住豪族であり、神武朝に先立って機内を拓いていた “饒速日命” を祖先にもつとされ、歴史学的にも未解明の部分が多い氏族ですが、王権の一翼を担いながら永く権勢を奮いました。

 

その歴史の中で多くの官位氏族や支流氏族を生み、各地の国造(こくぞう / くにのみやつこ・領主)を輩出した物部氏でしたが、この香我美郡を治めたのが “物部鏡連(もののべ かがみのむらじ)” でした。

千数百年も昔のことゆえ鏡を扱っていたことや、その他の詳細・事跡は詳らかではありませんが、物部の名は “旧 物部村” や香美市の中央を流れる “物部川” などに残り、この地における物部氏の名残りを留めています。

“土佐打刃物”(土佐山田町)の醸成の下地として、古き鏡や鉄器の製造技術などが奏功したのではないか・・などと考えてみるのも面白いですかね。(^^)

 

脱線から話を戻して、香美市の『かみめぐり』

古の風薫る山間の地を舞台に “博” の字を借りて “体験博” の銘で繰り広げられるレジャー&カルチャーイベントとなっています。

画像©「かみめぐり」NPO法人いなかみ

開催日程が限られており、前期予約は既に満たされていますが、12月1日までの開催プログラムにはまだ参加申し込みの空きもあるでしょう。

その企画は多岐にわたり30種を上回る豊富さ。
一部をご案内しますと・・。(説明文:公式サイト引用)

 

・「マイナスイオンを浴びながら紅葉の大荒三滝を巡るウォーキング」

画像©「かみめぐり」NPO法人いなかみ

二匹の龍が舞い降りたという大荒の滝。平家伝説の残る大屋敷。安徳天皇を祀る韮生山祇神社。神秘と歴史に触れながら、紅葉の三滝(大荒の滝、岩屋滝、つらら滝)を散策しませんか。

間近で見る大荒の滝は落差40メートルの大迫力。紅葉に包まれた滝の遠景、足元の山野草、コースの魅力を味わい尽くす約2時間のプチ登山をベテランガイドとともに楽しみましょう。 散策後は木馬茶屋カフェで絵画を愛でながらのランチタイムあり。

 

・「古民家で石臼の粉挽きから始める、蕎麦打ち体験」

画像©「かみめぐり」NPO法人いなかみ

化学肥料や農薬を使わずに自家栽培した「そばの実」を昔ながらの石臼を使って粉にして、小麦2割、そば8割の「二八そば」を作るまでの作業を 2人一組で体験します。

香り高い打ち立ての蕎麦を築120年の古民家のウッドデッキで「天ぷらざるそば」にして食べます。天ぷらはこちらで調理します、揚げたてを賞味下さい。更にそばを使ったデザートとそば茶もお楽しみ下さい。

 

・「茶屋特製「田舎弁当+お土産」付き!しいたけ工場見学と轟の滝伝承ガイドツアー」

画像©「かみめぐり」NPO法人いなかみ

香美きのこセンターを見学してから轟の滝へ移動。轟神社をお参りし、轟の滝に伝わる平家伝説の話を聞きながら、滝の全景や3段の滝壺、総落差82mの落口を見て回り、滝の歴史とその迫力を実感いただきます。

その後「耳の神さま」と「目の神さま」を訪ね、最後に御在所しいたけを含む地域の素材をふんだんに使った田舎弁当を満喫していただきます。お帰りの際にお土産もお渡しします!

 

・「神宿る草 “まこも” で作る神聖お正月飾り」

画像©「かみめぐり」NPO法人いなかみ

大正時代に建てられた趣のある古民家で、厄除けとして通年飾ることが可能な「まこも」を使ったしめ縄作り体験をします。

古事記にも登場する「まこも」は神事や仏事に、また古来から食用や薬用として日本にゆかりがある植物。出雲大社本殿と同じ「まこも」のしめ縄を飾ってご自宅をパワースポットにしてみませんか? 作業中には「まこも茶」をフリードリンクでご用意。

 

・「物部の柚子酢(ゆのす)香る田舎寿司にチャレンジ」

画像©「かみめぐり」NPO法人いなかみ

物部町で採れた柚子酢香る田舎寿司と、郷土料理作り体験を行います。地元のお母さん直伝の、山の恵みを活かした深い味わいは乞うご期待です。

ゆず酢をたっぷり使って出来上がったお寿司は、自然の素材を使って素朴かつ華やかに盛り付けます。当日は、素材の保存方法から学び、レシピもお持ち帰りいただきます。

 

その他にも諸々『かみめぐり』ならでは、香美の里ならではの感性溢れたイベントプログラムが目白押し。 涼やかな秋風漂う頃に四国土佐の息吹に触れてみられては如何でしょうか・・。

※ 全てのイベントプログラムは事前予約制となっており、開催日程も限られていますのでご注意ください。

香美を廻る体験博『かみめぐり』 公式サイト

Amazon:『物部氏の正体 関 裕二』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください