家族の本質を昭和100年に顧みる – 茨城県

来年、令和7年(2025年)は “昭和100年” にあたるそうです。
ん~~、まぁ確かに昭和は64年あったし平成は32年・・、と考えれば昭和100年も当然 数えられるべき年なのでしょうが、何かピンと来ませんね・・。

かくいう私は昭和37年(1962年)生まれです。まだ子供の頃ですが “明治100年” という言葉が流行していたのを薄っすらと憶えています。

“昭和100年”・・別に戦前も戦中も知るわけでもなく、どころか、戦後の欠乏時代さえ知らぬ世代なのですが、昭和も100年目といわれると、随分 時も経ったものだと思わざるを得ません。

というか、令和を迎えたとき、自分が三つの時代を跨いで生きていることに何か違和感を感じてしまいました。 平成天皇のご年齢を考えれば当然の成り行きではあるのですが、何というか・・令和生まれの人たちから見れば昭和生まれなんて、私たちから思う明治生まれの人のようなものですよね・・(^_^;)

 

何か “昭和100年問題” とかいうものがあるそうで、コンピューターと それに関連する業界で懸念されているそうです。

日本では公文書を含め各種コンピューターシステムで西暦と元号暦が混在して使われているため、昭和基点でのデータ認識が100年目に “0年” と誤認されて、大きなトラブルを発生させるのではないかという問題だそうです。確か世紀変わりのときにも “2000年問題” として世界的に話題になりましたよね・・。

社会、そして生活のあらゆる面がコンピューターで支えられている現代。”2000年” のときは事前の対策も功を奏したためか、大きなトラブルにはなりませんでしたが、・・願わくば今回も難なく通り越してもらいたいものです・・。

コンピューターなんてものが、まだずっと未来のものだと思っていた昭和の中盤時代。(当時 子供であった)私の読む絵本には未来の予想図が華やかに描かれていました。 大型ロケットで行き交う宇宙旅行、都市の空中を縦横に張り巡らされたチューブ型道路や路線、颯爽と走るエアカー、コンピューターや奇妙な機械を用いて行なう授業など様々に・・。

夢溢れ活況に沸いていた時代ならではの発想ともいえますが、夢は夢として現実の暮らしはまだまだアナログ・・。人の価値観や思考を、そのまま社会の仕組みや生活に反映していた頃を振り返ってみるのも面白いかもしれません・・。

茨城県水戸市「茨城県立歴史館」『安部朱美創作人形展 昭和の家族-伝えるこころ-』が、この7月20日(土)から9月16日(月)まで開催されています。

 

〜この夏、それぞれの時間旅行〜

“戦前、大恐慌を経ての大戦、終戦直後、高度経済成長期といった様々なフェーズをもつ、昭和という時代。こうした政治・社会を背景とした歴史のひとつの側面として、本展では昭和30~40年代の、記憶に残る、家族や友だち、地縁といったつながりの中で営まれたくらしの情景に焦点を当てます。安部朱美氏の創作人形、谷川俊太郎氏の詩とともに昭和の家族の一場面をご覧ください。” (茨城県立歴史館HP案内文より)

画像:茨城県立歴史館より クリックorタップでチラシDLへ

ご存知のとおり、昭和は戦前、戦争、そして戦後復興から高度成長へのいくつかの時期に大別することができるでしょう。

時に “激動の昭和” などともいわれる64年の年月。今回の企画展では戦後、新たな時代を迎えてゆく中にありながら、まだ古き時代の息吹を色濃く残す “暮らしの端々” を、安部朱美氏による人形・ジオラマによって鮮やかに描き出されています。

 

昭和25年 鳥取県生まれの安部朱美氏、独自の技法を駆使して “日本人とその文化” を具現する その作風は、緻密にしてリアリティーにありながらも “人間の暖かさと情緒” に溢れており、そこにはまるで数十年の時を経た人と風景が生きているかのよう・・。

胸を露わに赤子に乳を与えるお母さん。ちゃぶ台を囲んで和む家族。当時としては 何処の家庭でも見られたごく普通の風景ながら、時代の変遷とともに薄まりゆく形でもありましょう。

常に子供の心に寄り添った昭和の詩人(絵本作家)谷川俊太郎氏による詩。併展される多くの懐かしき写真とともに、今は遠き時代の生き方を振り返る企画展です。

 

新しいものはみな宜しくなくて、古いものがみな良いことばかりなどとは決して申しません。 時代の進歩とともに改善されてきたものも数え切れないほどあるでしょう。

しかし、何かひとつ便利になれば、それまでそこにあった苦心や工夫・技能が失われてしまうのと同じように、暮らしが変われば そこに息づいていた(形や数値に表せない)大切なものも影を潜めてしまいがちです。

人と関わることを重荷に感じ避けながらも、完全に人とのつながりを失うのも嫌で、オンラインで形ばかりのつながりを求め続けるような奇妙な世相だからこそ、温故知新、古き時代の暮らし、家族のあり方の中にヒントを探すのも有効だと思うのです。これからの時代を生きていくためにも・・。

『茨城県立歴史館』 公式サイト

 

Amazon:『昭和の家族 安部朱美創作人形作品集』

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