小友の海を渡る山笠 祇園の歴史 - 佐賀県

佐賀県 唐津市、名勝 虹の松原、巨大な曳山と祭ばやしで名を馳せる「唐津くんち」、古式豊かな伝統工芸品「唐津焼」などでで有名な街です。
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その北部、近隣には美しい海岸も見える 呼子町小友(よぶこちょうこども)地区で7月16日・17日にわたり「小友祇園祭」が執り行われます。
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高さ15メートル重さ3トンにものぼる祇園山笠を地区の若者50名が イナイ棒と呼ばれる4本の大木で組んだ神輿座に担ぎ、祭に賑わう地区内を練りまわった後、何とそのまま海にまで入り込むというもので”海を渡る山笠” とも呼ばれ全国的にも珍しい形態の祇園祭とされています。

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祭の起源は万治元年(1658)とされており疫病であるコレラの退散祈願から始まったと伝えられていますが、コレラの日本流入の記録はこれよりおよそ170年後の文政5年(1822年)とされていることから、もしかするとコレラではなく赤痢による惨禍だったのかも知れません。
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いずれにせよ前年 明暦3年には遠く離れた地とはいえ大難となった「明暦の大火」など、揺れ動く世相と病魔による生活不安の中から神仏を仰ぎ、健康と平安の日々を願う人々の想いは村人総出の勇壮な祭事に結実し、以来360年に渡り今日に引き継がれているのです。

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ところで、「祇園」の言葉から一般的に連想されるものは何でしょうか?
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やはり 京都東山の花街「祇園」または 日本三大祭のひとつでもある「祇園祭」といったところでしょうか。
有名な軍記物語「平家物語」の冒頭でも「祇園精舎の鐘の声・・」と祇園の名が出てきますね。
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京都「祇園」の地名が この地の社「祇園社 / 祇園神社」(現在の八坂神社)から来ており、この社が小友を含む全国八坂神社の総本社であることは多くの方がご存知かと思われます。
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創建は656年(飛鳥時代) 当初は「祇園社」とともに「感神院」とも呼ばれ、当地の産土神であるとともに寺院としての性格も併せ持っていました。「祇園」の名のとおり「祇園信仰」を仰ぐ社でありましたが「祇園」そのものが”お釈迦さま” とつながりの深い「祇園精舎」からきていることもあり、仏教的色彩をも包含した神社とも言えたようです。
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時が経ち奈良時代を越え平安の世に至ると、政治体制の成熟とともに都の規模・人口も増大、同時に疫病が頻発 その被害が甚大となると、疫病の原因を疫神や霊の祟りと捉えそれを鎮め平癒を願う”御霊会” が開かれるようになり、疫病や厄災を祓うとされる”牛頭天王” を祀る「祇園社」を中心に例祭として執り行われることとなりました。
これが後に1000年を越えて今に続く「祇園祭」の元となったのです。

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“牛頭天王” は古代インドのコーサラ国の寺院「祇園精舎」の守護神とされており上述のように疫病を祓う神であるとともに”蘇民将来 説話” に見られるように”荒ぶる神” でもあります。 仁王 / 金剛力士像 のようにその激情の性格ゆえ厄災を祓う力も強く 頼れる神とされたのでしょう。
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只、その出自は今もって詳らかでなく、大陸においての記録も残っていないことから日本独自の神ではないかと考えられていますが、反面、その成り立ちから朝鮮系の香りを残し”須佐之男” の関わりも取り沙汰され、明治時代の神仏分離令以降「八坂神社」の主祭神は”須佐之男命” とされています。
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疫病・厄災を祓い平穏を願う「祇園信仰 / 八坂神社」は 科学的な対抗手段を持ち得なかった時代に大きな拡がりをみせ、やがて全国2400社を数えるまでになりました。

 

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健康と平和を願う民の願いは昔も今も変わりはありません。
科学が万能の如く振る舞う現代であっても”病” は完全に尽きることはなく、私達に生きることの意味を突きつけてきます。
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人々の切実な、そして明日への望みを乗せて全国の「祇園祭」は今年も賑わいを見せるのでしょう。

 

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「小友祇園山笠」

日  程   2019年7月16日(火)・17日(水)

時  間   天候と海の干満の状況により変動あり

場  所    〒847-0302 佐賀県唐津市呼子町小友

アクセス   自動車 西九州道唐津ICより30分
.       公共交通機関 昭和バス(ジャンボタクシー)
.       「呼子台場みなとプラザ」行き「小友」下車

問い合わせ  TEL 0955-82-3426  呼子観光案内所
.       TEL 0955-53-7195 唐津市呼子市民センター産業・教育課

サ イ ト   公式サイト *(但しデータが古いため、参考程度)

 

 

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