せっぺとべ!せっぺとべ!せっぺとべ! - 鹿児島県

 

「せっぺとべ」 鹿児島弁で「精一杯跳べ!」という意味だそうです。
「せぃぃっぺぃ! 跳べぃ!」でしょうか・・
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鹿児島県日置市 八幡神社、吉利鬼丸神社で豊作を祈願する御田植行事「せっぺとべ」が6月2日(日)に開かれます。
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地域の若衆が田植え前の田に集い円陣を組みながら一斉にジャンプ!ジャンプ! 泥だらけになりながらも晴天のもと豊作祈願の歌も歌います。 田植えにまつわる記事は、以前 「広島県 ハレの日 殿賀に謳舞う花田植え」 でもご紹介しましたが、こちらが早乙女さん主体の伝統的・基礎的な形であれば、この「せっぺとべ」は男衆主体の躍動的な奉納の形と言えるかも知れません。

 
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この「せっぺとべ」行事の歴史は420年にも及ぶそうです。
鹿児島県ホームページによりますと 正確な発祥は定かではないものの、1595年日置島津三代目 島津常久 が八幡神社を日置の総鎮守社と定め,9畝の御新田を寄付したことが創始ではないかとのこと。
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歴史的に見ますと 島津常久 はこの時 若干9歳ながら日置島津家の家督を継ぎこの地に入場したと残されていることから、本人の意向かはともかくこの時の家督整備と祝賀に関連して始められたことは充分に考えられますね。

 
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「せっぺとべ」は昭和46年まで6月6日(旧暦5月6日)、現在では6月の第1日曜日に開催。
神社境内では菅笠を被り御田植踊とも呼ばれる豊作祈願の踊りが始まり、順次、虚無僧踊り、鎌ん手踊りなど数種の奉納舞踊が大人から子供まで参加のもと行われます。
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これら奉納舞踊の中核を成すのは”棒踊り” とされるもので、手に持った棒を操りながら地面を踏み地に力を与えるという、古代から続く農耕呪術の名残を残すものなのだとか。


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同時に御神田で始まるのが要の行事「せっぺとべ」
二才とも呼ばれる(青二才に通ずる意味?)地域の青年が円陣を組み「せっぺとべ!」の掛け声とともにジャンプ!ジャンプ!またジャンプ!
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これまた、田を踏み固めることで整地を行う足踏耕作の名残らしいのですが、反発力を吸収してしまう泥地での、それも互いに肩を組みながらタイミングを合わせながらの連続ジャンプは、想像以上に過酷な運動、二才だろうが何だろうが若い人でなければ体力がもたないのではないでしょうか?w
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連続ジャンプにあわせて奏でられるのは「せっぺとべ!」だけではなく、その地の風俗を彷彿とさせる古来から続く歌も歌われるようです。
歌には古から連綿と続く農村の暮らしや風俗が織り込まれ、詞尾には「オイヤマカチャンゲ、チョシ、チョシ、チョシ、チョシ」で締めくくり、数十編もある歌を持ち回りで歌うそう。
民族学や風習に関心をお持ちの方も興味を惹かれるところではないかと思います。

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そして、これら一連の行事を終始見守る存在が「デオドン(大王殿)」
身長約3メートル、仮面を被り脇差を差した巨神像です。
両手を真っ直ぐ水平に伸ばしたその姿は田の神でもある久延毘古(クエビコ)的なものも感じられますが、差料を差した出で立ちは武士的な佇まいでもあり、詳細は詳らかでありません。

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鹿児島から宮崎にかかる地域では古代隼人族の長に端緒をもつ 「弥五郎どん」Wikipedia なる巨人伝説があり、その影響もあるのかも知れませんし、もしかすると、その影響下のもとに前述の三代 島津常久公 の姿が重なっているのかも知れませんね(あくまで個人的感想ですが・・)
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島津常久公 は御家存亡の危機の中 家督を継がれながらも、執権後は政務ともども才能を発揮され御家復興の礎を築かれた方、治所の信望も厚かったかも知れません。
残念ながら早逝されましたが、最初にこの巨神像を奉納されたのが 嫡男 四代 島津久慶公だったと言われ、驚くべきことに、その像に使われていた仮面は 近年まで祭で実際に使用され、新しい仮面に変えられた今も大切に保存されているそうです。

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この日は、宮の由緒ある行事だけではなく、関連イベントも開かれ町は一日賑わうそう、
古来の由縁深き農耕の祭、この機会に一見されては如何でしょうか。

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* 泥にまみれる祭祀ですので、近づかれる場合などは充分にご注意下さい。

 

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・ 鹿児島県 日置市 日吉町 日置 日置八幡神社

. 2019年6月2日(日)(毎年6月第1日曜日) 午前9時30分~

・ 鹿児島県 日置市 日吉町 吉利 鬼丸神社

. 同日 午前9時00分~ *こちらはデオドン(仮面神無し)

・ 交通アクセス
. [車] JR「伊集院」駅より約15分
. [公共交通] JR「伊集院」駅から鹿児島交通バス枕崎行きで15分、日置郵便局前下車、徒歩5分(日置八幡神社)

・ 日置市指定無形民俗文化財

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