物流の原点 そして未来へ ~カモツのヒ・ミ・ツ~ – 埼玉県

さいたま市 大宮区にある「鉄道博物館」は鉄道マニアには夢のミュージアムです。
実物の展示車両36両、体験型の実働ミニ車両やモックアップ、疑似運転シミュレーター、総延長 約1,200mを誇る鉄道ジオラマなど鉄道に興味を惹かれる方なら大人から子供まで楽しみ尽くすのに、丸一日で足らないほどでしょう。

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その「鉄道博物館」のイベントに興味深い企画展が有りましたので取り上げてみました。
その名は「貨物ステーション~カモツのヒ・ミ・ツ~」
「鉄道博物館」秋のイベントですので既に昨年10月からセットされていますが、今年2月24日(日)まで開催されています。
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その名の通り鉄道は鉄道でも主に貨物列車そして貨物輸送に焦点をあてた企画展です。
D51をはじめとした蒸気機関車や ロマン溢れる旅客列車、最新式の超特急などではなく日頃の私達の生活に大きく関わりながらも顧みられることの少ない貨物列車・・
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エキシビジョンではこの貨物輸送の特徴、歴史、車両、そして日本の経済成長とともに貨物輸送が果たしてきた役割やその変遷、さらに物流大激動期といわれる現在から未来における貨物輸送の展望に至るまで、多くの貴重な写真や資料で紹介されています。

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インターネットが普及してはや四半世紀、ネットワークは社会に大きな変革を次々にもたらしましたが、その一つに ネット販売の躍進があることはご承知のとおりです。

膨大な勢いで日々膨れ上がる商取引の土台を支えるのが、商品をユーザーの元まで送り届ける物流業界、過去10数年間 破竹の勢いで増加し続ける輸送物量の増加は物流業界にも多くの変化をもたらしました。今や運輸業界全体の内 物流が占める割合は営業益で65パーセント、就業者の割合は実に77パーセントにまで達しています。
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そんな物流の輸送手段において最も活躍しているのが、トラック、宅配用小型車両などの主に自動車ですが、その他にも 鉄道、航空機、船舶 などがあります。
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日本の貨物列車による輸送は明治6年、東京 新橋駅と横浜駅間で開始されました。
以来、近代社会の黎明期から戦時中、高度経済成長期の到来に至るまで社会の原動力のひとつとして その動輪を回し続けてきたのです。
しかし、モータリゼーションの到来とともに搬送に融通の効きやすい自動車にその地位を取って代わられ、近年の統計では国内全輸送量の数パーセントを担っているに過ぎません。
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鉄道輸送は大量の荷物を長距離間 輸送出来るという特色があります。
反面、小荷物の増減や積み替えなど小回りが効きにくく、また災害など線路不通となった時 復旧までに時間がかかるというリスクを抱えていることから 小口輸送が増えている現在では敬遠される傾向にあり、時代の変化とともに利用減少の一途を辿ってきました。


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しかし、近年 この物流業界にも新しい波が訪れつつあります。
地球規模での懸案である環境問題に対して鉄道輸送は非常にエコロジーな手段であると言われます。 自動車輸送から鉄道輸送への切り替えが Co2削減において有効な手段であると見込まれることから 政府もこれらの推進に力を入れており、また「モーダルシフト」と呼ばれるこの施策には現在 深刻な問題となっている人手不足にも大きな影響を与えるのではないかと言われています。
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1世紀半にわたってこの国の大規模輸送を支えてきた鉄道貨物、その未来は新たなステージに入りつつあるといったところでしょうか。
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郷愁豊かな蒸気機関車でなければ 旅情を誘う旅客車でもない地味な存在の貨物列車、
マニアなればこそ、否、マニアでなくとも多くの人に一度は目にして頂きたい展示会
「貨物ステーション~カモツのヒ・ミ・ツ~」2月24日(日)までに是非!

 

 

鉄道博物館  公式ホームページ

埼玉県さいたま市大宮区大成町3丁目47番

「貨物ステーション~カモツのヒ・ミ・ツ~」

2018年10月20日(土)~2019年2月24日(日)

 

 

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