北海道 卯月の空に砂塵舞う ばんえい競馬


遅い春と言われる北国ですが今年は陽気のせいか北海道でも既に20℃を上回る暖かさ、
空高い帯広の地でこの20日から市主催の「ばんえい競馬」が始まりました。

日本全国で一般的に開催されオーバルコースでスピードを競う公営競馬と違い「ばんえい競馬」は途中に障害セクションを設置した直線コースを`ばん馬(ばんえい馬)’と呼ばれる農耕馬によって競われるレース競技です。日本では唯一、世界的に見ても珍しい形態の競馬で、近年ではその珍しさのみならず土砂を蹴散らし疾駆する躍動感からかファンの増加にも目を見張るものがあるそうです。


ばんえいとは`輓曳’と書き荷車などを曳く(ひく)事を言い、重たい荷や農耕具を曳き作業に従事する馬を表します。因みに北海道の馬と言えばいわゆる`道産子’馬が有名ですが、`ばん馬’は`道産子’とはそのルーツから異なる別種の馬で、外見的にも体格の大きさは特徴的で驚くべき事に800~1100kgと一般競走馬のサラブレッドのほぼ倍にも及びそれでいて体高は同程度と言う事からも如何に筋肉質で剛重な馬である事が伺えます。

競技そのものも一般競馬とは一味も二味も異なります。途中に2箇所の台形の小山という障害物を置いた直線200mのコースを駆けますが、まず騎手は直接馬に騎乗する事はなく馬が曳く鉄製のそりに搭乗して手綱を引きます。騎手以外にウェイトを載せたそりは総重量最大1トン近くにもなる事も有るそうで、最終的なゴール到達順位が勝敗を分けるのは一般競走と同じものの、スピード感と言うよりは膨大な荷を曳ききるダイナミズムと小山を越えるタイミングや人馬一体の息の合わせ方などが一番の見どころでしょうか。

面白い事に上記の息合わせの為に競技中に歩を止めたり、又、一般競馬が鼻先でその勝敗を決するのと異なり荷曳き競技の性格から荷そりの最後端がゴールの判定となる事なども興味深い違いでしょう。

元々のルーツは北海道開拓時代の入植民による催事、余興で馬の力比べとも言われる「ばんえい競争」全盛期には旭川、岩見沢など数ヶ所で開催されていたものの一時期その趨勢が衰え、現在ではここ帯広での開催一ヶ所となってしまいました。しかし、官民一体となった各位の努力の甲斐あって今では地元民のみならず全国的にも知名度が上昇し、海外からも熱心なファンが集まるほどのイベントとなりました。

本年度は年間通して151日の開催予定、内94日はナイター競争も予定されています。
熱さを増す「ばんえい競馬」地元共々益々の発展が期待されますね。
北海道、帯広方面に行かれる機会がある方はぜひ!

 

ばんえい十勝 公式ホームページ

開催地 : 北海道 帯広市 西13条南9丁目 帯広競馬場

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