栃木県 実りと安寧願う古山の道のかかしまつり


昭和の頃までは田んぼの風景、風物詩のひとつともいえた「かかし」ですが、円形の反射ディスクや音の出るカラス除け、果てはハイテクな製品などに押されて数を減らし、その姿を見かける機会も少なくなりました。

最近では各自治体、その中でも村単位での活動やイベントなどで「かかし」がひとつのメニューとして持ち出されることがありますが、ここ栃木県下野市下古山の星宮神社に連なる旧参道においても今日26日「第12回 古山のかかし祭り」が催されました。
地元の子供たちやサークルが制作した趣向豊かな「かかし」が40体 参道に並び訪れた人々を楽しませていたようです。
又、祭りでは「かかし」のコンクール、ダンス、そして「ひまわり迷路」など子供たちの歓喜を誘うイベントの他、昔ではよく見られた子供たちによる祭事「風祭」(風水害除け祈願)など古式豊かな神事も執り行われました。

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星宮神社(ほしのみやじんじゃ)は栃木県をはじめとして主に北関東地方でいくつか見られる社名ですが、変遷ゆえか現在においてはそのご祭神に多少の相違が見られるものの、ここ下野 星宮神社では栃木県古来の縁深き神、磐裂神(イワサクノカミ)、根裂神(ネサクノカミ)が祀られています。磐裂神、根裂神ともに 国産みの神でもある伊邪那岐神(イザナギ)のふるった十拳剣から滴る血と岩から成る神で盤石なる岩、それを断ち割る力、そして生命力の象徴でもある血を交えて始原的な力と神格を現した神とも言えるでしょうか。

 

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又、この神社では年の瀬を迎える頃、来る年の幸を祈る「上福祭」が執り行われ、その折に幽玄ながらも温かい灯りを灯す「願かけ行灯大鳥居」がお目見えし参詣者を見守ります。

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星宮神社の御祭神とは違いますが「かかし / 案山子」は古名を[そほど][かがし]とも称されおそらくは農耕社会が始まって程ない頃からの田の神の依代でもあり又、知恵の神でもあるとも言われています。日本最古の神社のひとつとも言われる奈良県 大神神社の久延彦神社の祭神 久延毘古(クエビコ)は知恵、学識の神であり同時に「かかし」の神格であるとの事、田の中に立ち悠久の時を静かに見守り、世の移り変わり全てを見知っていることから この神格が立てられたとのこと、

 

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歌手、さだまさし さんの歌にもあるように「かかし」は農村風景の象徴でもあると同時に古くは農村社会でもあった日本人の生き抜くための力と知恵、心遣い、家族的、民族的安寧の象徴でもあったのかも知れません。

 

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