民話 – ヘビとキツネの恩返し 岩手県


昔々ひとりのお医者様が旅をしておられました。

ある川のそばを通りかかったところ折からの長雨で
水面はごうごうと氾濫しその中をひとりの男、ヘビ、
そしてキツネが流されているのを見つけびっくり!

必死の思いでそれぞれを助けたお医者様、
男とヘビ、キツネはとても感謝しお医者様と一緒に
旅を続ける事になり、ある村までやってきました。

ヘビとキツネは村近くの森へ、お医者様と男は庄屋
さんの家へ宿を借りました。

旅人がお医者さまと知った庄屋さんはこれを幸いと
村に居る病人やけが人を診てやってくれまいかと頼み
お医者様もこれを快く引き受けたのです。

いく日にも渡るお医者様のけんめいな診立てで多くの
村人が救われ、皆、口々に感謝しお礼の作物などを
お医者様のもとへ届けました。

ところが人とは難儀なもの、何もせずただごろごろ
していただけの男、お医者様ばかりちやほやさされ
るのが面白くない。悪だくみを案じた男はかげで庄屋
さんに「あの者は本当は妖術使いで人々を騙している」
そして「庄屋の財産を狙っている」と嘘を言ったのです。

人を疑うことを知らぬ庄屋さん、おどろいてこれを
お役人へ届け、悲しい事にお医者様は牢へつながれて
しまいました。

しかし、事の次第を見ていたのが先のキツネ、恩のある
お医者様を何とか助けようとヘビと相談、一計を案じました。

ある日庄屋さんが庭の手入れをした時、一匹のヘビに
足を噛まれました。傷口はみるみる内に腫れ上がり
庄屋さんは苦しみながら寝込んでしまうはめに・・

そこへ通りかかったのが旅の易者さん。家人に頼まれ
庄屋さんを診るなり一言「暗い所へつながれている
お医者様に治してもらう以外、助かる路はない」と

やがて、お役人に連れられ庄屋さんを見舞ったお医者様
のおかげで庄屋さんの足はもとどおりに治り、妖術師
だとの疑いも晴れ、入れ替わりに嘘をつき恩人を陥れた
男が牢に入れられる事になりました。

事の成り行きから自分を助けてくれたのが、あの時の
ヘビとキツネであった事に気づいたお医者様、以来
三人?で仲良く暮らしてゆきましたそうな・・

人の恩義は大切に、ねたみは己を滅ぼす元、今も昔も・・

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