福島県 悲恋伝説に想いを馳せて 采女神社

福島県郡山市に古来より伝わる「山ノ井伝説」
又の名を「采女(うねめ)伝説」を由来とした行事
「第53回郡山うねめまつり」がこの3日催され
同時に同市片平町の采女神社にて「采女供養祭」
が執り行われました。


「山ノ井 / 采女伝説」とは今から千数百年前
奈良時代の頃、同地域が冷害に見舞われ都への
納税が出来なくなった折、検察のため同地を訪
れた葛城王に見初められ、租税の猶予と引き換
えに朝廷への出仕を申し付けられた‘春姫’の
物語だそうです。


当時、春姫は既に将来を誓い合った許婚が居ま
したが里の為泣く泣く都へと赴き朝廷での生活
を始めました。
里に残った許婚の次郎は日々深い悲しみの中で
過ごしていたものの耐え切れず、ある日山ノ井
の清水に身を投げてしまいます。

一方、次郎の事が忘れられない都の春姫もある日
宴の雑踏にに紛れ宮中を抜け出し、猿沢の池の畔
まで来ると着ていた衣を木の枝に掛け入水を装い
一目散に故郷へと逃げ帰ります。

身を削りながらやっとの思いで辿りついた里でし
たが、しかし春姫を待っていたのは亡き次郎の
事実でした。
悲しみに暮れた春姫は次郎の後を追うように同じ
山ノ井の清水へと身を投げます。


「采女供養祭」はこう言った悲恋の物語を由来に
春姫と次郎の霊を鎮めるためのものであり、姉妹
都市提携を結ぶ奈良市からも親善使節団が訪れ
社の祭壇に献花を捧げます。

そして、これをもとに市勢発展のため昭和30年
(休催をはさみ昭和40年)から「郡山うねめまつり」
が始められました。 イベントでは宮廷の官女
などの衣装をみに纏った女性などの行列をはじめ
浴衣コンテストなども行われます。

因みに姉妹都市である奈良市に於いても春日大社
の末社である采女神社で春姫が宮廷から消えたと
される例年仲秋の名月の日に「采女祭」と言う祭事
が執り行われるようです。


うだるような暑さが続く季節ですが、悠久の時を
越えた悲恋の物語に想いを馳せてみるのも良いかも
しれません。

「第53回郡山うねめまつり」:公式HP

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